娘に相続させない母
父が亡くなり、そろそろ1ヶ月になります。コーヒーを1杯多く淹れ、線香をあげるのが家族みんなの日常になってきました。
11月5日に遺産(家のみ)の分割をどうするか、妹と母との3人で話し合いの場を持ちました。
しかしどんなにデメリットを説明しても、75歳の母は家の名義を自分にし娘2人には1円も渡したくないとのことで話は決裂。
母の名義にするデメリット
母の名義にしても構わないのですが、そうすることでデメリットがあるので説明しました。
今後認知症になったり、現在の身体状態(身体障害あり)ではいざ現金が必要なとき売却が難しい
年金生活で固定資産税、一軒家の維持費を支払うのは難しいのではないか
母が亡くなった後にまた相続手続きが必要になる
私の名義にして母が住んでいる間は固定資産税を支払っても構わない。
そして、売却したときに私が支払った分を清算して、残りを妹と半分に分けるという考えも提案しました。
しかしそれでも頑として首を縦に振らない。
売却したとしてもその現金をすべて自分が使いたいんだとか。
実は母には父に内緒で親戚から数千万の借金があるため、借金返済にあてるつもりなのかもしれません。
でも父の残した財産は相続人全員のものなので、個人の借金のために独占するのは違うと思うのです。
借金は生活費が足りずに借りたから、必要だったものだと母は言いますが、なにせ証拠がありません。
父が存命中の9月、私が父の余命わずかであるとの報告を親戚にしました。
そのとき、当然のように母の借金の話が出ました。
「まきが何もしてくれないと言ってるけど、どうなってるの?」
「これまでに私も金を渡してるけど、一度も返ってこないからもう貸せないと話している。何もしていない訳ではない。」
こんなやり取りを何度したでしょうか。
多額の借金があるので、母が亡くなったとき私と妹は相続放棄する予定です。
しかし母が家を相続した場合、それでは父が遺した財産がなくなってしまいます。
私たち娘が相続したい理由
私たち娘は、母から財産を奪おうと思っているわけではありません。父が遺してくれた財産を少しでいいから分けて欲しいと主張しているのです。
母は父の1年間の入院中一度も面会に行かず、入退院の手続きや入院手付金の負担、葬儀に関する一切を放棄しています。
実家は建築関係の自営業で決して生活が豊かでは在りませんでした。子どものころに父からおもちゃ以外に買ってもらったという記憶や思い出はありません。
妹とは「遺灰を身に着けるのもいいね」と話していて、ネット通販でかわいいペンダントを見つけるとLINEで送り合っています。
想像より早すぎる別れの中に、ささやかな楽しみを見出していたのです。
他にも「じいじに旅行をプレゼントしてもらったって家族で使うのもいいよね」なんて話しています。
金額にすると10万円程度でしょうか。
母の意見を聞いて
母は娘2人のそんな小さな夢ですら、見ることを許さないそうです。
それならば、実家を現金化して法定相続分で分けようと私と妹は考えています。
法律で決まっている基本的な分け方です。
母が1/2、私と妹が1/4ずつ。
家がいくらで売れるかは分かりませんが、1000万円として母が500万円・娘は250万円ずつ。
私たちが提案したより母の取り分が少なくなりますが、これは母が選んだ結果だと思っています。
仮に母が弁護士を雇ったとしても、同じような配分を提案されるでしょう。
母には当面それで生活してもらえばいいし、生活できないなら生活保護を受けたらいいと思っています。
私たちに母の借金を返済する義務も返済能力もないからです。
とりあえず1週間後に考えが変わらないか聞くつもりでいます。
残した財産は多少なりとも娘に遺したい、父はそう考えていると思うので、きっと喜んでくれるでしょう。
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