グローバルに働く②地球の裏側で英語を話す
私はメーカーに勤務する40代のサラリーマンです。グローバルな働き方をご紹介したいと思います。
私は、この12年くらい海外ビジネスを担当してきました。
中南米向けに現地法人を通じたビジネスのほか、海外のお客様向けの直接営業で世界を飛び回り。さらには現地駐在員の経験もあります。
日本生まれ、日本育ちの私がどうやって世界を股にかけるビジネスマンになったかをご紹介します。
海外出張でいつ英語を使うのか?
当時、私の仕事は現地法人の支援。ブラジルにはオフィスがあって、現地人中心に100人規模の従業員がいました。
ブラジルではお客様との会話はポルトガル語を使うので、私が英語を話せたとしても営業としてはあまり役に立ちません。せいぜい「大事なお客さんなので、本社から人がわざわざ来たよー」という意味で同席するくらい。
なので、私が現地に行ってやることは、日本にいてはわからない、プロジェクトの進捗状況や新規案件の受注確度を調べるといったことがメインでした。
担当者に個別に話を聞くので、拙い英語でもなんとかなります。ノートやホワイトボードを使って説明してもらったりすると理解も進みます。仕事で使う英語は単語も限られており、言われる内容もだいたい想像がつくのでその点でも助かります。
困るのはディスカッション
現地に行くと、大きな社内会議があったりします。
日本人も現地人も参加するので言語は英語です。
当時の私にとっては、これが結構やっかいでした。議論の内容は多岐に渡り、特に発言順序が決まってるわけではないので、ちゃんと内容を理解した上で、自分の意見を主張しなければいけません。
その日は四半期に一度の全体会議で丸一日20人ほどが参加してました。私は、内容を理解するのに必死で、ただ聞いているだけでした。
お昼休憩の際に、ブラジル流のブュッフェを食べながら、上司が冗談交じりにこう言いました。
「発言しないなら会議に出る意味ないぞ」
私は、笑顔で
「じゃあ、午後は発言しますね!」
と答え、その場はではみんな笑顔で
「頑張ってー」
といってましたが、私は
「やばい、午後は何か発言しなきゃ!」
と、焦ってました。
大切なのは英語力?
午後の会議が始まり、私はいつ発言するか、そればかり考えていました。
チャンスは小休憩を終えた3時頃に巡ってた。私のよく知っているトピックの時間になり、頭の中で質問内容を英語で何度もシミュレーションしていました。タイミングをみて、すっと手を挙げ、思い切って発言すると、最初はシミュレーション通りだったのが、だんだん支離滅裂になり、グダグダな質問になってしまいました。
それでも、発表者は質問の意図を汲み取って、答えてくれて、事なきを得ました。
これは、自信になりました。
そこからは吹っ切れて、なんども質問できるようになりました。
考えてみれば、英語は単なる言葉なので、上手く話すよりも内容のほうが大事。ちゃんとしたことを話していれば、なんとか伝わるのです。
こうして、上司との約束は果たせたのでした。
カイピリーニャで乾杯
その夜のこと、会議参加者で懇親会をしました。
昼にハッパをかけてもらった上司が私に向けて、
「いやー、何回質問するんだよと思ってたよ」
と、笑顔で言い、みんなで盛り上がりました。
酒の弱い私にも、その日のカイピリーニャ※はとっても美味しく感じました。
※ブラジルの有名なサトウキビのお酒を使ったカクテル
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