妊活日記―信じられなかった夫の姿
2023/5/15(月):夫婦の妊活日記㉙
※この投稿は、私たち夫婦の妊娠・流産・不妊治療について振り返って書いたものです。この記事を書いている今日も、私たち夫婦は不妊治療をがんばっています。
流産から数週間、私のスマホから「助産師さんの出産系チャンネル」がおススメされないようになってきた頃の、私たち夫婦の話です。
私は「流産の経験を受け入れて気持ちに踏ん切りをつけたい」という思いから、お腹にいてくれた子に手紙を書き、検査薬で結果を確認した日から記録していた妊娠ノートを閉じることにしました。
ノートと「初めてのたまごクラブ」や病院の資料をまとめ、普段の生活では目に入らないところにしまい込むことにしました。
まだまだ受け入れたりポジティブに捉えることなんてできなかったけれど、生活から「前向きっぽい」ものに変えていたつもりでした。
でも、このころは社会的にも厳しい時代…まだまだ苦しむことになります。
この当時コロナウイルスが日本にも広がり始め、日本中に「これからどうなるの?」といった不安が充満し始めた時、夫の仕事がリモートワークに切り変わりました。
…このリモートワークの時期が一番しんどかった…
夫がサラリーマンとして働く姿を始めてみるのは新鮮で、
「イケてるやん♡」
なんて思えたのは束の間のこと…
現実はなかなか辛くて、ケンカ(正確に言うと、嫁が一方的にキレて夫が困る…というやりとり)も耐えないものになりました。
夫婦でリモートワークを進めるうえでのルールを決めました。
「〇時に夕飯の支度をする。その時間に終われない時には連絡をする」
そんなルールを幾つも決め、ルールが守れなくてはケンカをし、話し合い…それでもまた守ってもらえなくて怒って泣いてがっかりする…という繰り返しでした。
リモートワーク前ならとっくに終わっているような時間でも夫の仕事は終わらず深夜まで上司と電話で話をしていたり、同じ家にいるからこそ聞こえてしまう会話は
「こんな話をするために私たちは一緒に夕飯を食べれないんだ」
なんて思ってしまうようなもので…一人暮らしの上司の話相手のようなものもあって…不安定な私にはそんな上司に笑顔で対応する夫の顔も、嫌いになっていきました。
また「これだけは守って!」とお願いしたルールも夫は守れないことが多く、一言で済む私への連絡も
「忙しくて忘れてた」
という始末…
この記事を書いている夫なら、ちょっとした連絡もラインでしてくれるのですが、この時の私たち夫婦はまだまだ互いへの気遣いや相手の地雷も分かっていなかったのだと思います。
(今の夫なら、基本連絡さえすれば嫁の心は安定するもの…と分かっているから必ず連絡をくれるけど、この時の夫は「遅くなると気分を害するだろうから、伝えたくない」…と先延ばしにしているところがありました。)
そして私も、上手に受け取ったり伝えたりすることができず、夫の行動の意味を勝手に悪い方に解釈をして凹んでは夫を恨むような気持ちになって…
夫側の家族に言われてきた
「不妊は女のせいだ」
「年上の嫁だから授かれない」
「嫁がお前じゃなければTは父親になれたんだ」
という忘れていたはずの言葉たちが、この頃になって思い出され、
「私が殺した」
という罪悪感と一緒になって、夫の言動を悪いものに意味づけていきました。
夫にとったら濡れ衣以外の何物でもなく、夫の行動にそんな深い意味はなくて
「忙しかったから嫁との約束、後回しにしちゃった♡」
程度のこと…今ならわかるのですが、この時の私はきっとうつ状態だったんだと思います。
「夫はあんな考えの人たちの環境で育ってきた人…夫も私のせいで赤ちゃんが死んだと思ってるんだ。
だからこんな風に私との時間を避けているんだ。私に腹を立てているから約束も破るんだ。夫は私を無言で責めているんだ…」
そんな風に思い込んでは夫の行動を捉え、私は
「なんで死んじゃったのが赤ちゃんで、私は生きてしまっているんだろう」
と本気でそう思って、自分で自分をドンドン追い込んでいきました。
そして自分自身を傷つけるような行動を無意識にするようになっていくのです。