掲載された俳句と短歌
菜の花の黄に蝶々と紛れ込む
(毎日俳壇2024.5.6)
目覚めてもまだ夢のなか春の昼
(毎日俳壇2020.5.4)
春燈下皆美しく芝居めき
(毎日俳壇2020.3.23)
ここもまた居場所ではなく鬼やらひ
(毎日俳壇2020.2.24)
さみしさと共に道行く春の月
(毎日俳壇2020.4.14)
混沌の夢抜け出せぬ溽暑かな
(毎日俳壇2020.8.10)
調律の少し狂ったピアノ弾くさみしさだけが灯台でした
(毎日歌壇2020.8.18)
オルゴール人形は踊り続けるさみしさは永遠に消えない
(毎日歌壇2024.5.14)
真夜中に閉じた記憶が暴れ出し眠ることはいつだってこわい
(毎日歌壇2020.6.29)
ひとりきり見ている月はひとりでも幾多のひとの頭上を照らす
(毎日歌壇2023.10.16)
身も知らぬ大きなものに決められて淡きスカートさみしく揺らす
すきまからこぼれ落ちゆく花びらのひとつひとつに名前があった
(短歌研究2020年9月号短歌研究新人賞応募)