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ブレた写真は失敗なのか?/#204
良い写真とはどんな写真でしょうか?おそらく答えは人それぞれ違うでしょう。多くの場合はしっかり写っている状態が前提に語られます。つまりブレたりボケたりしてないと言うこと。しかしSNSを見ればブレたりボケたり写真を見かけませんか?その写真は失敗ではなく意図して撮られてるケースが多いでしょう。
ここ数年で新しくカメラを始めた方にとって、ブレとピンボケは無縁でしょう。手ぶれ補正や瞳AFの発達で誰もがピシッと写っている写真を取れるようになりました。基本的にはカメラ側がそれらをアシストしています。そのため意図的に撮らなければ、ブレやピンボケが難しくなったと言えます。
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ブレには2種類あります。手ブレと被写体ブレです。手ブレは文字通り自身が構えているカメラがブレることで生じます。対して被写体ブレはカメラが固定されていても被写体がシャッター速度を上回る速さで動く場合に生じます。これらを知っているだけで意図的にブレ写真を撮れるのです。ブレ表現には躍動感を演出する力があります。そのため被写体の臨場感やその場の時間的移り変わりを伝えたい時に取り入れたい表現。
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ブレ写真を撮るにはレンズと被写体によって異なります。一般的に手振れを防ぐにはレンズの焦点距離と同じシャッター速度以上で撮影することとされている。例えば50mmの単焦点を使う場合はシャッター速度が1/50を下回らないということ。つまりシャッター速度をそれ以下に設定すれば容易に手ブレを引き起こせます。その時にカメラ側の手ぶれ補正をOFFにすると確実性が高まります。
加えてピンボケも同様でAFに頼ると必ずピントが合った写真が撮れます。意図的にピンボケさせるにはマニュアルフォーカスで調整する必要があります。どれくらいのボケ具合にするのか自身が求めている表現になるようにフォーカスリングを調整する。そうすることで理想としていたピンボケが生み出されます。
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以上を踏まえて自身の表現としてブレとピンボケを取り入れてはどうでしょうか?意図した表現に近づけるには練習が必要です。時間がある時や日頃の撮影で少しずつ試して慣らしてください。少しでも撮影の引き出しが増えるキッカケになれば幸いです。
SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影 / 写真イベント企画 / 鳥取のPR活動も行なっている。
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