PENTAX67というカメラ/#009
カメラは大きくて重いもの、そんなイメージを持っている方は多いはず。このカメラはまさにその通り。重さは2kgオーバー!ずっしりと腕にくる重さは運動不足の身体には少しこたえる。
通称バケペンと呼ばれるPENTAX67は中判フィルムカメラだ。フィルムによって大きさが異なっていて、一般的なフィルムは35mmで消しゴムほどの大きさ。対して中判フィルムはスライスチーズほどの大きさと言えばイメージが湧くだろうか。
フィルムが大きくなるメリットは画質と階調、ボケ感など様々ある。特に実感するのはボケ感と画質からくる圧倒的な立体感であろう。ゆえにその虜になる人も多く愛用されてるカメラのひとつだ。
僕がこのカメラを知ったのは濱田英明さんがキッカケ。その写真を見た瞬間グッと惹きつけられていた。調べるとフィルムで撮っていて中判と呼ばれるPENTAX67らしいと知った。それからは憧れの的としてバケペンを指をくわえて見ていた。
そんなある日、友人に借りる機会が訪れ念願のバケペンデビューを果たした。腕にずっしりくる重さと身体中に響き渡るシャッター音は撮る楽しみを倍増させる。どんな写真が撮れるだろうとファインダーを覗きながら高鳴る鼓動が耳に届く。
現像が終わり写真に目を通すと言葉を失った。今までとは全く異なる世界がこんなにも美しいのだと。普段以上に1枚に込める思いは強くなり尊さが増す。“百聞は一見にしかず”というがそのこばの通り一度使うと納得する。
そんなバケペンを再びお借りする機会に恵まれた。今まさに手元にあり使う日をまだかまだかと待っている。中判の世界は想像よりも遥かに美しい。愛用者が多い理由は一度で分かった。それほど圧倒的な表現力があるカメラそれがPENTAX67。
今回撮った写真はまたの機会にお見せしたい。