365日フィルム生活/#01
2021年に取り組んだ365日フィルム生活。撮り続ける中で様々な葛藤や気づきがあった。毎日撮るのならスマホでもデジタル一眼が手軽で良いかもしれない。しかし、あえてフィルムを選んだのには理由がある。
フィルムは不便なもので、すぐに写真を確認できないし撮れる枚数に上限がある。加えて値上げの影響から既に“気軽に撮る”とは言えず、貴重なものに成り代わっている。
しかし、不便だけどそれが魅力でもある。
どれだけ頑張っても写真を生成するまでのアナログな過程は変えられない。そこにかかる時間的制約も同じで、写真が目に見える形になるまで一呼吸もニ呼吸も必要になる。
写真は見返すために撮っている。
撮って直ぐに確認できるのは喜ばしいこと。その一方で沢山撮れるため1枚に対する重みは減りつつある。なぜなら、沢山撮った中から選りすぐりの写真を抽出するからだ。
対してフィルムの場合はデジタルのような写真の選び方はできない。1枚を撮る時の重みが明らかに違っていて、確認できないし目に見える形になった頃には撮り直しができない。
1枚に対する思いや、目の前のことにいつも以上に意識が向く気がしている。故にどんな形であれ写真を見返した時の記憶がより鮮明になる気がしている。だからこそ大切な瞬間や本当に忘れたく無いときほどフィルムで撮っている。
さて、2023年は再びフィルムで365日撮り続けようと取り組んでいる。現時点で継続しており12/31が楽しみでワクワクしている。早速現像からデータが返ってきたので、いくつか振り返りたい。今回は1月分の写真を見返してみる。
フィルムの高騰で以前使用していたPORTRA400はさすがに手痛い。今回からはFUJIFILMのX-TRA400を使用している。想像以上に赤と緑の発色が良く、日本人好みの色合いで昔から慣れ親しんだ写真に仕上がる。現像をお願いしているLaboは山口県の山本写真機店さん。フィルムを始めた頃からお世話になっていて、いつもお任せでオーダーしている。
実のところ今回使用したフィルムは初めて使うため、どんな写りをするのかと冷や冷やしていた。現像から返ってきた写真を眺めて安堵したのを今でも覚えている。想像以上に写りが良くて暗所でも良く捉えている。Kodakと比較して安価であるため、今後多用すること間違いない。
ザッと振り返ると、自分の生活であったり興味があるものを改めて知れる。写真を通して自分自身と会話している気分になる。写真を撮り始めた頃から「なにげない日常が好き」で今でも変わらない。そんな日常とフィルムは最高な組み合わせだと思っている。
まだまだ続く365日フィルム生活。
どんな写真や自分に出会えるのか楽しみだ。