最後のフィルム/FUJIFILM PRO400H
遂に手元に残っていたFUJIFILM PRO400Hを使いきった。撮り終わった瞬間なんとも言えない焦燥感に包まれた。心の奥深くどこまでも吸い込まれていくような感覚。もうこのフィルムで撮れないのだと思うと感慨深いものがある。
FUJIFILMで撮れる感度400のフィルムのなかで最も好きなフィルムだった。だからこそ一番の拠り所を失うダメージは大きい。あの繊細な描写、誇張しない色味、程よい諧調。その全てが好きで使っていたからこそ。
先日、山本写真機店さんから現像したデータが届いた。
昔からFUJIFILMの緑が好きで、ついつい緑が多いところで多用してしまう。とてもナチュラルながらも深みのある緑。日本人好みの色。
大きなクセはなく、どこまでも透き通った印象。その場の空気感をフィルムに閉じ込めたような感覚。赤色も綺麗で日本人の肌をより忠実に再現してくれる。感度400ということもあり普段使いから重宝する。
少々暗いところでもしっかり写してくれる。カラーバランスが崩れることなく、明暗さがあっても諧調豊かにバランスが整っている。
どんな時でもこのフィルムさえあれば大丈夫。それほどに信頼をおけるフィルム。Kodakとは個性が異なる愛され続けたFUJIFILM pro400H。その理由は使えば使うほどにわかる気がする。
これ以上この世の中からフィルムが無くならないことを切に願うばかり。フィルムだからこそ撮れる写真と体験がある。それらを噛み締めながらこれからも撮り続けたい。