フィルムで残す家族写真
フィルムでは何故か人を撮りたくなる。ハッキリと写りすぎない曖昧な描写と温かな表現がどこかリアル。生々しさのような近い距離感があって親近感が湧く。だからこそフィルムで撮りたいものは人であることが多いのだと思う。
友人夫婦に新しい家族が増えた。日頃の感謝を含めてその今の姿を写真に残したくて撮らせていただいた。フィルムで撮る時は特別な感情である場合がほとんど。ひとつひとつ寄り添うようにそっとシャッターを切る。
どんな思いで寄り添っているのか、どれほどの愛情を受けて育ったのか、そんな感情が何年・何十年かした後に見返して感じられるキッカケになれば嬉しい。そのためにも今この瞬間やありのままの姿を形に残す意味は想像以上に価値があると思っている。
あっという間の時間だったけれど、2人だけの時とは違う表情の友達夫婦。不慣れながらも父と母として成長してゆく姿が見えた気がする。それだけ大きな変化であるし神秘的な出来事で子宝と言われる言葉の意味を実感した。
家族の姿を残すこと、それは節目だけになりがちだけど想像以上に日常の大切さに気づく時がくる。なんの変哲もない日常が当たり前に繰り返されること。それに感謝したいし写真や動画に形として残し続けたい。撮った日が記念日になることもあるのだから。