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ASD妻 感覚過敏と服選びの難しさ


旅館の浴衣がもたらす不快感

最近、妻の感覚過敏について連続で書いていますが、今回は浴衣や検査着に関する話です。

妻は旅館で提供される浴衣がとても苦手です。その理由は、クリーニング後のノリが効いた硬い肌触りが合わないことと、腰をゴムではなく紐で縛る仕様が不快に感じるからです。
ゴムは弾力があるため体に自然にフィットしますが、紐の場合はきつめに結ばないと着崩れしやすいため、必然的に締め付けが強くなります。その状態で座ったり食事をしたりすると、お腹に違和感を覚えやすいそうです。
さらに、寝ている間に紐が食い込むこともあり、これが特に嫌だと言います。

また、浴衣がはだけてダラシなく見えるのを気にするあまり、常に緊張状態になってしまうそうです。
はだけるのが嫌で中にTシャツを着ることもありますが、「それならはじめから浴衣を着なければ良いじゃん」と感じてしまうとのこと。
こうしたあれこれを気にするのが面倒で、結局は浴衣そのものが嫌になってしまうようです。
そのため、妻は旅館やホテルに泊まる際には、必ず自分の着慣れた部屋着を持参しています。

病院の検査着が引き起こす問題

もう一つ、妻が困っているのが病院の検査着です。
健康診断や人間ドックの際に指定される検査着は、生地が硬くてゴワゴワしており、サイズも体に合わないことが多いそうです。
また、検査着についている独特の匂いが気になり、特に好みでない洗剤の香りがついていると、それだけで気分が悪くなることもあると言います。

病院に行くことで体調が悪化するというのは本末転倒ですが、検査着が指定されている以上、自分の服を持参することはできません。
ただし、現在通っている病院では、人間ドックの際に金具がついていなければ自分の服を着て検査を受けられるとのことで、妻は診察内容や費用以上にその点を重視して病院を選んでいます。

感覚過敏が外出を難しくする

妻にとって、服の心地良さや肌触りは非常に重要な要素です。普段と異なる環境に出かける際には、この点が特にストレス要因となり得ます。
妻は大げさに言えば、外出先で出会うあらゆる物事に対して、自分の感覚に合わなかったら、その不快感をコントロールできなかったらどうしよう、という不安感を常に抱えています。
それが結果的に、妻が外出を嫌がる理由の一つとなっています。

服の肌触りといった、一見すると些細に思える問題が、妻の日常生活のあらゆる場面で負担やストレスとなっていることを改めて実感します。
妻にとっては、これが日常生活の中で常に向き合わなければならない困難、なのです。


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