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ASD妻 仮面をかぶる社会生活がもたらす代償


「定型」に擬態する社会生活

昨日、妻は出張で大人数での会議に出席し、多くの人と長時間話してきました。
ASD特性のある妻は、当然ながら沢山の人に会うことも、長時間話しをすることも、とても苦手です。
結果としては、帰宅する頃には疲れ果てて、ヘトヘトになっていました。

妻はASD特性によって、「他人」と関わること自体が苦手で、人間関係のトラブルに巻き込まれることも少なくありませんでした。
しかし、社会で苦い経験を重ねる中で、妻は「仮面」をつけて定型発達の人のように振る舞う術を身につけました。
この仮面のおかげで、一見するとASD特性があるようには見えず、むしろ「コミュニケーション能力が高い人」と思われることすらあります。

しかし、仮面での擬態には副作用が伴います。長時間の場合、その代償は大きく、次の日には疲れてほとんど何もできなくなってしまいます。ひどい場合には強烈な反動から鬱状態に陥ることもあります。


強烈な反動とメンタルの不調

案の定、今日はほとんど何も手につかず、メンタルの状態も大きく落ち込んでしまいました。鬱々とした気分を少しでも変えようと、Netflixを見たり、入浴をしてリラックスを試みたりしましたが、完全に回復することはできませんでした。
最終的には安定剤を服用し、早めに就寝することしました。

こういった状況を避けるためには、人と全く会わないようにするという選択肢も考えられますが、それはそれで引きこもりのような状態になり、無力感から別のストレスを生む原因になってしまいます。


妻の試行錯誤とその成長

社会の中で、他人と関わることでの適度な刺激は必要なのはよく理解できます。
しかし、妻にとっての「適度な刺激」と「メンタルに深刻なダメージを与えるストレス」の境界線が、本人もはっきりとは掴めていません。

ただ、これまでの経験から「今回くらいの感じなら、長くても一週間程度で回復する」といったことが分かるようになってきました。
そしてもしかすると、今日一晩寝れば明日はかなり回復しているかも知れない、とも妻は言っていました。

試行錯誤しながら、妻自身が自分の回復パターンを少しずつ掴めてきたことは、大きな成長の証だと思います。


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