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ASD妻 視覚過敏と戦うコンタクトレンズ


2種類のコンタクトレンズ

妻はコンタクトレンズを2種類持っている。
ちゃんと見えるやつと、あんまりよく見えないやつ。
これを使い分けているらしい。
なんで?と事情を聞いてみたところ、なかなか壮絶な視覚過敏というASD特性について教えてくれた。

太陽や白色蛍光灯が眩しすぎて頭痛になるというのは視覚過敏できいたことがあったが、妻の場合、光の問題に加えて街中のいたるところに溢れている広告などの文字情報の渦に飲み込まれて苦しむらしい。

あらゆる情報が目に入った途端に直接脳に届いてしまう感じで、常に情報の解釈を迫られて混乱する。(とにかく情報がうるさいらしい。)
インプットを我慢しようにもすべて無意識下で起きるので抵抗のしようもなく、ただ耐えているうちに疲れ果てるか、気持ちが悪くなるらしい。
(聴覚過敏もあるので、雑踏の騒音や人の話し声も辛いが、これはノイズキャンセリングや音楽を聴いて対抗できるからまだマシだそうで、この話はまた別で書きたいと思います)

あんまりよく見えないコンタクトというアイデア

そんな視覚過敏に対応するため、最初に妻は、目が悪いのに裸眼で外出するというアイデアを試したそうだ。
情報が入ってこなくなる代わりに、全体的に見えなくなるので、人にぶつかったり、駅のホームから落ちそうになったり、かなり危なかったらしい。

その後、「あんまりよく見えないコンタクト」というアイデアを思いつき、眼科で相談し、2種類のコンタクトレンズを用意して使い分けるに至ったそうだ。

視覚過敏は直らないけど、なんとかやっていくしかない

普段使いはあんまりよく見えない方で、仕事も近くのものやパソコン作業なら問題ない程度の度数。
ちゃんと見える方は、映画や講演会、観劇など遠くのものをしっかり見る必要があるときにというように使い分けている。

妻いわく、視覚過敏を治す方法はなく、ただなんとか対処していくしかないらしい。

妻が子どもの頃から視覚過敏に苦しみ、そして今も日々苦労しながら対処していることを知って、本当に可哀想だなと思った。

ASDの日常は、定型には想像もできない苦労の連続なのだ。


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