
ASD妻 恐怖のエピソード、ガスコンロで暖を取る??
暖房代わりのガスコンロ
ASD特性が影響しているのか、妻は若い頃の一人暮らし時代に常識では考えられないような行動をしていました。
夏場に「ドアを開けっ放しで寝てしまう」というエピソードは以前に紹介しました。
今回はさらに衝撃的な冬は「ガスコンロで暖を取る」という話をお届けします。
妻が20代前半の頃に住んでいた部屋には、エアコンも暖房器具もありませんでした。
ASDによる感覚鈍麻が影響しているのか、妻は暑さや寒さへの感覚が少し鈍く、夏はエアコンを使わずに窓を全開にして過ごしていたそうです。
しかし、秋になり気温が下がると、さすがに寒さを感じるようになりました。
そこで、暖房器具のない部屋で寒さをしのぐために考えついたのが、「ガスコンロで暖を取る」という方法だったのです。
妻はキッチンのガスコンロの火を最大にして部屋を温めようとしたそうです。しかし、ガスコンロでは部屋全体が暖まることもなく、火のそばにいれば少し暖かい、という感じで単に危ないだけでした。
ガスコンロで髪も服も乾かす? 恐怖の使い方
さらに驚くのは、妻はドライヤーも持っていなかったという事実です。
シャワーから上がった後、髪の毛が濡れた状態で暖房のない部屋にいると寒くて仕方がないため、ガスコンロの火で髪の毛を乾かしていたそうです。
長い髪の毛を火で乾かそうとすると、火に近づきすぎて焦げてしまうこともあったとか。
それならドライヤーを買えば良いのにと思うのですが、妻の言い分としては「ガスコンロを使えば髪も乾くし部屋も暖かくなるから、一石二鳥だった」ということらしいです。
さらにぞっとする話が続きます。
当時、妻は洗濯物を乾かすのにもガスコンロを利用していました。
部屋干ししてもなかなか乾かない衣類をガスコンロの近くに置いて乾かしていたというのです。
洗濯物が燃え移る可能性を考えると、本当に危険極まりない行動です。
こうして妻から聞いた話を書いているだけでも、ただただ怖いです。
また、ガスコンロの火をつけたまま部屋で寝てしまったこともあるそうで、火事や一酸化炭素中毒の危険を考えると背筋が凍ります。
妻にとっては「ただ寒かったからガスコンロを使っただけ」という感覚だったようですが、周囲から見れば命に関わるあまりにも非常識な行動です。
周囲の理解とサポートが妻の生活を守る
最終的に、ガス代がとんでもなく高額になったことで、ようやく妻もこの方法をやめる決心をしたそうです。
その後、ガスファンヒーターを購入し、一応の落着を見たとのことですが、火事やガス中毒といった取り返しのつかないリスクを考えれば、ガス代が高くなるまで改善しなかったという点に驚きを隠せません。
なぜこんなことが起きるのか、ASD特性として、以下のような特徴が影響していたのではないかと思います。
感覚鈍麻:
寒さを感じにくいため、暖房の必要性に気づきにくい。
想像力の欠如:
火を扱う危険性や火事になるリスクを具体的にイメージできない。
ルーティンの優先:
一度慣れた行動を繰り返す傾向があり、効率的で安全な方法に切り替えにくい。
もちろASD特性のある人たち全てが妻のようにガスコンロで暖を取る訳ではありません。
妻だけの個別のエピソードであることだけは強調しておきます。
しかし、ASD特性を持つ人は、周囲から見ると「なぜそんなことをするの?」と思うような行動を取ることがあります。
理由は本人にとってはそれが「普通」だったり「便利」だったり、「自然」な行為に感じられるからだと思います。
現在、僕と妻はオール電化の家に住んでいるので、ガスコンロのような危険な行動を取る心配はなくなりましたが、当時の話を聞くたびに怖すぎて胃が痛くなります。
ASDの特性を理解しつつ、周囲が適切にサポートしていくことで、こういったリスクの高い行動を減らしていけるのではないかと思います。
妻の一人暮らし時代のエピソードはまだまだありそうなので、また共有してみたいと思います。