見出し画像

ASD妻 ゴミ問題を巡る我が家の話


ゴミが溜まっていく問題

妻と生活していて、リビングのテーブルや仕事机など、妻が座っていた場所に少しずつゴミが溜まっていくのが気になっていた。ちょっと何かを拭いたティッシュや、空になったペットボトルなどがそのまま置き去りにされている。

「ゴミをそのままにしないでよ!」と、見つけるたびに僕が怒りながら捨てていたのだが、なかなか改善されなかった。

妻の言い分を聞いてみた

ASD特性の理解と同じように、なぜゴミを捨てないのか改めて妻に聞いてみたら、妻の言い分はこうだった。

「テーブルのティッシュはこぼれた水とかをちょっと拭いただけで、まだ使っているからゴミじゃなかった。だから捨ててなかった。鼻をかんだティッシュとかは汚いからすぐに捨ててるし」

確かに、妻は潔癖症なので、明らかに汚いゴミはすぐに捨てている。
では、ペットボトルはどうかというと、

「めんどくさいから。フィルムを剥がしたり、ゆすいで水気を切ってから袋に入れて、溜まってから出すのが面倒すぎる。ペットボトルは外出する時に持って行って、駅とかにあるゴミ箱に捨てることにしてる。だから、空のペットボトルは置きっぱなしというか、捨てる途中の状態」

ゴミ問題は好みの違い?

以前なら僕は「いやいや、ゴミはゴミなんだから変なこと言ってないで、さっさと捨ててよ」と思っていたのだが、落ち着いてこれは一体誰にとっての問題なのか、と改めて考えてみた。
すると、妻の言い分も意外と道理があるように思えてきた。

結局このゴミ問題は、妻にとってはまったく問題ではなく、僕にとって「ゴミが目障りだ」という問題でしかないのかも知れない。

これはASD特性の問題でもなんでもなく、単なる共同生活における好みの違いかもしれないと思えてきた。
これまで僕はゴミを捨てない妻に怒っていたが、妻の主張を踏まえ、僕の好みに合わせてゴミを溜めないよう努力をお願いする、という形に対応方法を変えてみた。

妻曰く、「使用途中のものを捨ててないだけで怒られるのは納得いかないけど、溜めないようにする方向なら頑張れるかも」

それ以来、僕がゴミを見つけたら「捨てて」とお願いし、妻が捨てたら僕が「ありがとう」と言うサイクルを作った。
すると、最近では驚いたことに、妻も少しずつ自発的にゴミを捨てるようになってきたのである。

ASD特性でゴミが捨てられないという問題かと思いきや、意外にも我々夫婦の結論は「ASDは関係なさそう」というものだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?