はじまり。
はじまりは父からの電話だった。
「なんだか最近おかしいんだよなぁ。毎日同じ物を買ってくる。でも何か作る訳でもないし冷蔵庫が大変な事になっている」
と、母の事を心配する内容だった。
私は認知症じゃない?と伝えるも父は「まぁなんとかやってくから」とその言葉を信じてしまった。
それから数ヶ月後…
父「小蝿が凄いんだ。冷蔵庫掃除しても何しても小蝿が減らないんだ」
翌週、様子を見に実家へ。
母は最寄りの駅へ自転車で出掛けていた。
実家に着くなり小蝿の発生源を父と探すことにした。
まずは冷蔵庫。
中は同じ食材が大量に。バナナなんて5房?しかも皮が真っ黒になったものも。
でも、冷蔵庫の中身は腐ってはいない。
それなら排水溝ではないかと父と二人流しの掃除を汗だくでした。
これで小蝿は居なくなったね!と私は自宅へ帰った。
次の日…
父「小蝿な、減ってないんだよ。むしろ増えたんだよなぁ〜」
ええええええええ。あれだけ掃除したのに。。小蝿が湧く事って無かった人生だったから思い込みで排水溝やゴミ箱だと思い込んでいたのだけど違うんか?
翌週再び実家へ。
父も母も出かけていたので一人で母がいつもいるスペースの掃除やらトイレ掃除やら色々していたら父が帰宅。
こないだの掃除じゃ足りなかったんじゃないかとまた排水溝掃除。その間私はキッチンの戸棚を一つ一つ確認。
見つけた…
ガス台の下の戸棚。
そういえば母はじゃがいもや玉ねぎを流し下から取り出していたな?と思い出して恐る恐る開ける。
私「ゔぅぇぇげげぇ」
ガス台の戸棚を開けた瞬間に小蝿がぶわぁーーと。
玉ねぎが溶けて激臭が襲う。
ここが原因だったかと…
急いで外に出して玉ねぎを処理。
半泣きで。
父はきっと色んな感情が湧き上がってきてたんだろうね。無言だった。
私も悲しかった。
ひとまずは小蝿の正体はわかり一安心。
だったけど…
つづく