観た映画の感想覚え書き 2025年1月19日(日)時点

はじめまして、su_mi_to_と申します。
色々なタイミングが重なり、今年から映画のレビューをネットの海に放流することになりました。よろしくお願いいたします。
と、いっても、いきなり作品1本についてしっかりとしたレビューを書くのも誰も読まないかな、と感じるので、まず最初は今年に入ってから観た映画から2本ピックアップしてレビューしていこうと思います。


①ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

1/2にAmazonプライムビデオで鑑賞
監督 チャンドラー・レバック 
出演者 ポール・ジアマッティ ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ ドミニク・セッサ ほか

あらすじ

1970年冬、ボストン近郊。全寮制の名門バートン校の生徒や教師たちは、誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナム。勉強はできるが反抗的で家族に難ありの生徒アンガス。ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリー。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、孤独な彼らの魂は寄り添い合ってゆく――。

感想

新年一発目の鑑賞でした。劇中の時間がクリスマス頃〜新年で、特にそこを気にして選んだわけでは無かったのですが、たまたま観たタイミングがバッチリでした。

アンガスという反抗的な態度を取る生徒の心が、ハナム先生をはじめとした周りの大人の優しさで少しずつ氷解していく過程が、とてもとても丁寧に描かれます。そんな中で、はじめは渋々一緒にいることになってしまった3人でしたが、気づけばアンガス含め、お互いがお互いの幸せを願っていて、観てる側の自分もアンガスの成長を見守るような気分になったりして、気づいたら仲良くなっていたこの3人が画面上で楽しそうにしているだけで、なぜかニヤケ面が止まらなくなるんですよねえ。

劇中の場面で、3人で新年を迎える瞬間があるのですが、ここがまあ最高で。
なぜか3人ともメアリーの実家に集まっていて、テレビの前で年が明ける瞬間を祝っていて。その勢いでふざけてキッチンで爆竹で遊んだりしていて、生真面目なハナム先生も、直前まで大変なことがあったアンガスもケタケタ笑っていて・・・という一場面で、ああこの3人と一緒に自分も新年を迎えられて幸せだなあ、と思ったり。
家族というものと疎遠だった3人が、自然とごくごく一般的な『幸せな一つの家族』感を形成できてしまっていること、そのことに本人たちが気づいていないことそれ自体が非常に得難いことなんだよな、と思えて、自然と涙がこぼれそうになりました。

現実だと、家族とか、会社とか、友達とか、絶対に避けられない関係性ってたくさんあると思うのですが、そういうのにちょっと疲れたな、と感じる方にオススメしたい一本です。なんとなく気持ちが楽になると思う。



②陪審員2番

1/5にU-NEXTで鑑賞
監督 クリント・イーストウッド
出演者 ニコラス・ホルト トニ・コレット J・K・シモンズ ほか


あらすじ

ジャスティン・ケンプは、雨の夜に車を運転中に何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは殺人罪に問われた男の裁判で陪審員をすることになるが、やがて彼は「事件当事者」としての強迫観念に苦しみだす。

感想

クリント・イーストウッド監督作なのに、現地ではひっそり上映されて、日本では配信スルー、ということで少し話題になった本作。
イーストウッド作品は、なんというか、「映画とはなんたるか」を本能的知性で熟知している人にしか出せない魅力を感じます。時間と手間をかけてこねくり回さずにササッと作っていて、それなのに面白い、みたいな。(実際はどうかわかりませんし、前の監督作『クライ・マッチョ』ほか、自分は観れていない作品もたくさんあるのですが)

今作もご多分に漏れず、映画本来の面白さを原液で浴びるような、地に足のついた傑作スリラーで、かつ重みのある人間ドラマでした。

ネタバレにならない程度にあらすじに追記すると、主人公は陪審員としてある事件の裁判に参加することになって、話を聞いているとその事件の真犯人は自分自身かもしれない、ということに気づく。それもある程度事実証拠もある。
主人公はほぼ全編通して、過去に飲酒運転でやらかしたことがあるだけの善良な市民なんですが、だからこそ追い詰められていく様が観ていてつらくて、非常に胃がキリキリしてくるんですよね。そして気づいた時には、「自分ならどういう行動を取るか」という気分で観てしまっている。

そんな中で、どうみても冤罪の被告人が、さっさと家に帰りたい陪審員による多数決で求刑されそうになり・・・というくだりがありまして。
そんな時に、自分がどう事件に関わっていたかはずっと隠したまま、「多数決で決めるのはフェアじゃない」とか言って陪審員の多数決を先延ばしにしたりするのが妙にリアルでリアルで。怖すぎて一周回って笑いそうになるくらいでした。

真実を追うことが誰のためであるのか、ということについて気づけばエンドロール中はずっと考えさせられていました。


以上です。
今回は2本でしたが、これからは基本的に1本の映画についてもう少し長めに書いていきたいと思います。毎週日曜日更新予定。

それでは。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集