2024.12.22の辰己ヶ沢(2)(下絵編)ー尾根で休むシカー
ついに里にも雪が降り積もった。今朝はあたり一面が雪景色だ。
辰己ヶ沢も、より深い雪に覆われていることだろう。
積雪による吸音効果で静まり返った森の中、たまに鳥の声だけが響く世界。そんな中で、動物たちも何か特別な感覚を覚えているのかもしれない。
外で雪を楽しむ犬や猫の姿がその証拠とひとり思う。
今週、調査に入った森には10cmほどの雪が積もっていた。
地面の雪はまださらさらで締まっておらず、歩くたびによく滑って転んだ。葉が落ちた斜面を双眼鏡で眺めてみたが、動物の姿は見えない。
それでも足元にはイノシシやキツネの足跡がいくつも残されていた。
「こんなに痕跡を残しているのに、彼らはいったいどこにいるのだろう?」
冬の森を歩くたびに、そんなことをよく思う。
今週は下絵を描いた。
辰己ヶ沢でスケッチした絵に広葉樹を描いたが、参考に撮影したそのときの写真には、針葉樹がしっかり写っていた。
あのとき、手は冷たかったし風は吹くし、先を急いでいたこともあって、雰囲気を描いたのだろう。
それも悪くないし、そんな絵があってもいいが、針葉樹の方が描きやすい。
シカは比較的よく描けた。
確か、こんな雰囲気だった。