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行動主義


行動主義とは

 行動主義とは、ヴントへの批判から発展した心理学の考え方の一つ。ワトソンが創始した。ワトソンは内観法では客観的なデータは得られないとし、観測可能な行動のみを研究対象にするべきだとした。


重要人物

パヴロフ

 パヴロフの犬で有名な人物。パヴロフの犬とは、ある音を鳴らしてから犬に餌を与えるようにすると、音を鳴らすだけでよだれを垂らすようになったという事例である。簡単に言えば、生物の行動はAという刺激を受け取ったらBをするというような条件付けによるものがあると明らかにした。ワトソンは彼の研究を参考にし、行動主義を始めた。

ワトソン

 創始者。パヴロフに影響を受け、条件付けの研究を行った。
 彼の代表的な実験にアルバート坊や実験がある。これは、アルバート坊やというワトソンの金城に住んでいた0歳児に行った実験で、人間に対して行われた条件付けである。もともとアルバート坊やは動物が好きな子供だったのだが、ネズミを見せて後ろで大きな音を鳴らすということを何回も行うことでネズミを怖がるようになった。そのまま続けていると最終的にはサンタの格好をしたワトソンを非常に怖がったことから恐怖の対象が『白いふわふわしたもの』に広がっていることが分かった。このことから、感情すら後天的な学習によって引き起こされる条件付けであることが分かった。
 ワトソンはこのことから遺伝を軽視し、環境や経験が発達における重要なものと考えた。それがわかる発言として、「私に健康的な1ダースの子供を預けてくれたなら、望むような職業に育てよう」と残したとされている。

行動主義のその後

批判

 ワトソンは客観的に観測できない意識を軽視した。このことから行動主義は『意識なき心理学』と呼ばれた。また、遺伝を軽視する姿勢も批判の対象になった。

新行動主義

 行動主義は心理学の一大ムーブメントとなり、新行動主義と呼ばれるようになっていく。新行動主義の研究者としては、トールマン、ハル、スキナーなどがいる。

面白かったところ

 ここまで来てやっと現代心理学の形になってきたと感じる。条件付けから始まる学習心理学はめっちゃ面白いのでぜひ調べてみてほしい。
 あと、ワトソンはとんでもない人物で、アルバート坊や実験をやりながら不倫していたり、それがバレて離婚したり大学辞めたり、広告の会社に入って社長まで上り詰めたりと波乱万丈な人生を送っているので、是非とも調べてみてほしい。

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