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【翻訳】 ANNE OF GREEN GABLES 『赤毛のアン』 #7

 レイチェル夫人は、いつでも考えをきっぱりと話せる自分を誇りに思っていた。この驚くべき事件を飲み込むことができると、また自分の考えを喋り始めた。

「まあ、マリラ、率直に言わせてもらうがね、あんたとんでもないことをしちまってるよ。危険でもある…まったく。どんな子を引き取るのか分からないんだろう。あんたは今、見知らぬ子供を家の中に入れて、家族の一員にしようとしてるんだよ。その子供について分かっていることなんて一つもないんだろう。その子がどんな性分かも、どんな両親だったのかも、どのくらい見込みがあるかもね。
 つい先週新聞で読んだんだけどね、島の西の方に住む夫婦が孤児院から男の子を引き取ったんだって。そしたらその子が、家に火をつけたそうだよ。しかも、わざとにだよ、マリラ。その夫婦は、ベッドの中でこんがりと焼けちまうところだったとさ。それだけじゃないよ。引き取った男の子が生卵を啜る癖があったらしいんだがね、その夫婦は止めさせることができなかったみたいだよ。
 もしあんたが私に相談してくれていれば、まあしてくれなかったけどね、マリラ。どうかそんなことはしないでくれと頼み込んだのに、まったく」

 この不安を煽るような慰めの言葉に、マリラは気分を害したり心配したりはしなかった。マリラは変わらず編み物を続けていた。

つづく


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
生卵を啜る癖ってなんでしょうね。悪いの?


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