
テアトル梅田が閉館しました
こんにちわ、劇団超人<正直に言います!>予備校主宰の魔人ハンター<冬まっしぐらです>ミツルギです。

LOFTの地下にあるミニシアター『テアトル梅田』が閉館しました。
よく行きました。
32年間ということは、私が22歳のときですねー。
できたときのこと何となく覚えてます。
こんなにお洒落な映画館あるんかって思いました。

階段を降りて、

ここと

ここの間を抜けると、映画館に入れます。
エレベーターで降りる方法もありますが、私は階段で降りるのが好きでした。


ここで上映した作品がロビーに貼られてました。
私の場合、行くとなるとバタバタと行きますが、行かなかったら全く1年ぐらい行かないこともありました。
閉館のニュースを聞いたときも疎遠になってたときでした。
たくさん面白い映画を観て、少しちょっとイラッとした映画を観ました。
塚本晋也、北野武、竹中直人
の作品は大概ここで観た気がします。
舞台挨拶でいろんな人を観れたことも思い出です。
『魚からダイオキシン』のとき、内田裕也さんはニコリともせずにイメージ通りでした。「ありがとうございます。」とは言ってましたが。
カッコ良かったです。
『青空に一番近い場所』のとき、鴻上尚史さんは「何度も観に来て、その度に違う人を誘ってきてください。」って言ってました。冗談ぽく言ってましたが、本気の圧力を感じました。
『少林キョンシー』のとき、ジャッキー・ウーさんは日本語ベラベラで「何で? 」って思いました。
「自信作です」って言ってましたが、映画のラストでは失笑が起こってました。ファンが集っているのにです。
プレゼントでもらったTシャツはシミがついてました。
全部、今となってはいい思い出です。
せめて少しでも多く足を運ぼうと思いました。
観ることができた映画をちょこっと感想を。

ちょうどこれがあったのです。
『WKW/ウォン・カーウァイ 4K』
です。
ウォン・カーウァイ大好きでした。

『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』
の5本です。
その中から選んだのが、

『欲望の翼』です。
あれ?
『WKW』とは別にやってくれたのです。
1週間限定でです。
だから4Kではないのです。
デジタルリマスター版らしいです。
2度ほど観たはずなのですが、ほとんど忘れてました。
覚えていたのは、
・足のない鳥の話
・電話BOX前で待ちぼうけるアンディ。
・おや?と思う強烈なラストシーン。
です。
たぶん共感が足りなかったのかなー。
切なさがすれ違って辛いです。
片思いがこんなにてんこ盛りにされて出されても、受け止められません。
レスリーの台詞に
「人間はどうせ死ぬんだ。」
という台詞があり、今観るとたまらないです。
フィリピン行ってからやたら雑な感じがしますが、ドラマからはみ出そうとする感じがして許せます。
ただラストは電話BOXで終わってほしかったです。
そっちの方がしっくりくるんだけどなー。
なんかザワッとして終わっちゃうんですよねー。
クリストファー・ドイルもまだ倒錯した撮り方してません。
それがあればかなり印象が変わった気がします。
この映画は大変懐かしく、狂おしい片思いが押し寄せてきます。
この歳になってようやく落ち着いて観れた気がしました。

もちろん『WKW』の中からはこれを。
『恋する惑星』です。
初めて観たとき、衝撃受けました。
こんなんありなんかー!
こんなん観たかったー!
でした。
今観てもまだ新鮮だし、やっぱり好きでした。
昔、OMSで立ち見で観たことを思い出します。
ナレーション入れたらどうにかなると教えてくれました。
ほんと劇作家としてかなり助かりました。
何が弾けてる感じがします。
奇跡的なバランスで成り立っているのです。
帰り道、
「♪ラーラーラーラララーララーラー」
口ずさみながら帰りました。

もう1本は『天使の涙』です。
『恋する惑星』と対になってる感じがします。
こちらは陰のバージョンです。
全編夜だったかな?
夜の香港がほとんどです。
結構、ぶっ飛んでる人ばかり出てきます。
『恋する惑星』はぎりぎり踏みとどまってましたが、『天使の涙』は正直痛い人だらけです。
金城武の迷惑なお茶目さがこの作品を照らしてるようです。
上手く人とつきあえない人々が織りなす、悲しい話なのですが、ラストがなんだか暖かいのです。
そして、あの曲がかかります。
「♪パラララ〜バラララ〜バラララ〜パララララ〜」
口づさみながら帰りました。
でも、私、ウォン・カーウァイの映画、ここで観た記憶は、『楽園の瑕』ぐらいしかないんだけどなー・・・

『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3』もありました。
1と2見逃したので今回は1本は観ようと思いました。
『薔薇のスタビスキー』です。
ほんとは観たいのがあったのです(アクションコメディーと呼ばれるジャンルのです)。
が、私がコロナで動けなくて、動けるようになったら時間が合わなくて・・・。
時間があったのがこれです。
まあ、こんな機会じゃないと観ないし。
47年ぶりの劇場公開らしいです。
アラン・レネ監督作品です。
実際に起こったフランス史上最大の疑獄スキャンダルを描いてます。
私の見たかったピストル撃ったり、ヘリコプターぶら下がったり、高いところから飛び降りたりはありません。
かなり地味な部類の作品です。
投資家です。ちょっとペテン師でもありますが。
話自体にはそんなに惹かれないのですが、ベルモンドは面白いです。
目は困ってるような感じだけど、口は笑ってます。
まあ、元々そんな感じですが。
どこかにユーモアがあって、どこか荒々しく、やっぱり色気を感じるのです。
クライマックス、没落してからラストまで一気に見せてくれます。
モヤ―が残る終わり方ですが、それがやりたいことだったのだと思います。フランスの一時代を動かした人だったのようです。
私は知りませんでしたが。
打ち上げ花火のような人生でした。
ベルモンドはやりたかったんだと思います。
色気以上に凄みを感じました。

『テアトル梅田を彩った映画たち』が最後のイベントです。
ここで上映した作品から選ばれた作品を2週間で一気に上映するのです。
入場料1000円なので行きたくなります。
私は今、無職です。
映画観てる場合ではありません。
お金がないのです。
でも、時間があるのです。
4本観ました。
まず『夜空はいつでも最高密度の青色だ』です。
ストーリーはハッキリしたものではないけど、なんか行き詰まった感じ、息苦しい生活感が納得でした。
あの感じよくわかるのです。
それでもヘラヘラしてましたけど。
二人ともちょっと面倒くさい系の人で、
「好きにしたら」
としか言えませんが、自分も面倒くさい系の人間なのだと再確認いたしました。女子寮の前で夜から朝になるところがなんだか微笑ましかったです。

2本目は『アメリ』です。
何年ぶりかなー?
忘れてるところが多々ありました。
・オープニング、蛾からだったっけ?
・オドレイ・トトゥが出てくるまでこんなに時間あったっけ?
・あんなラストだったっけ?
だからかなり新鮮でした。
でも、強烈に覚えてるシーンもありました。
・アメリのZORO
・排水口のプロンプター
・液体になるアメリ
好きなシーンです。
先日、『恋する惑星』を観たのですが、アメリは『あかん恋する惑星』です。
そしてラストも『天使の涙』っぽいです。
今、こうやって観て気がつきました。
やっぱり好きな映画です。
お節介ばかりのアメリが、自分のことはなかなか・・・どうしょうもなく応援したくなるのです。
邪魔くさ過ぎて。
思ってたより、ストレートな作品だったことも知りました。
このハッピー感、見事です。

3本目は『オーバーフェンス』です。
職業訓練校を題材に選んでるところが面白いです。
ほんと様々な人がいて、どうせその場だけの関係だと決めている感じがあります(経験者の私だから言えます)。
そこが魅力でもあるのですが。
オダギリジョーの煙草をはさんだ手で缶ビールを飲む姿がかっこいいです。突然、トリの真似をしだすぶっ飛んだ女が蒼井優です。彼女じゃないとイタイ感じが半端なかったと思います。
ままにならない人生だけど、諦めない。
前を向いて進む。
ひょっとしたらちょっとした奇跡も起こせると思わせてくれます。
この映画があったことも知らなかったけど、観れて良かったです。

4本目は『愛がなんだ』です。
これタイトルが全てです。
この映画の大半が
『愛ってなんだ?』
で、進みます。
悩みながら、歩かざるおえません。
で、辿り着いた答えが
『愛がなんだ』
です。
そこには開き直りがあります。
愛がどんだけ人を振り回し、消耗させるものであっても、追い求めてしまうし。
それでも強がって言うしかないのです。
「愛がなんだ! ふん! 」
って。
人間は複雑。
複雑にしている所要な部分が愛なんじゃないかな?
とそういう風に思った次第です。
観れて良かったです。

最後の最後まで楽しませてもらいました。
テアトル梅田さん、ありがとうございました!!!!!