令和大和絵「花魁と唐獅子」
令和大和絵シリーズ「花魁と唐獅子」
#浮世絵 #大和絵 #あやかし
三十年にわたる年季がいよいよあがるその花魁は希望の光を見失っていた
奇跡的に身体はどこも傷んでなく、若い頃、吉原一と評判をとった稼ぎで、ささやかな茶店でも営もうかとも思うが、そんな気力は湧いてはこなかった
ただもうひたすら稼ぎをあげ、借金を減らして少しでも早くこの街から逃げ出す事だけを考え、そのために自分を磨き続けてきた。
花魁はそっと自分の手を見つめる
この頃は細かな皺が目立つようになってきていた。