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『チャップリンの独裁者』
『チャップリンの独裁者』のラストシーンの演説。
独裁者のヒンケルとユダヤ人のチャーリーは見た目そっくり。
だけど中身は全く違う。
チャーリーは軍の偉いさんの恩人で、二人は脱出の途中大観衆のまえで演説させられる事態に。
チャーリーは大観衆に向かい、そして失意の中にいる恋人のハナに自分自身の言葉で話す。有名なシーン。
私は中学の時、チャップリン自伝を読んでこの演説に感動し、暗記までしていた。(今は言えない)。
どんな失意と絶望の中でも、人と人は手を携て、愛を持って、希望を失ってはいけない。
連帯と愛と希望。
コメディ映画だけど、凄まじい決意で作られた映画。徹底してヒンケル(ヒトラー)を揶揄し笑いものにした。ナチズムが溢れる、全体主義が希望にさえ見えたあの厳しい戦前に民主主義を訴えた続けたチャップリン。しかし、戦後マッカーシズムの吹き荒れる中、国外追放となり、スイスに暮らすこととなった。
言葉と物語と演技で、笑いと涙で自由を訴え続けたチャップリンを追放した自由平等民主主義野国アメリカはどこに行こうとしているのか?
そしてアメリカという巨船の後ろにロープで結ばれたボートである我が祖国は?