〇〇さんになりたかった
昔から憧れの人が多くいた。
それは、同級生だったり、漫画のキャラクターであったりした。
その人になりたくて、見た目、口調、趣味、色々真似をした。そして、特にその人の考え方を熱心に研究した。
私は結構そういうことが上手かった。
大学生になってから、憧れの人は、インターネットにいる会ったことのない人になった。その人のTwitterを逐一チェックして、askの回答を読み込んだ。
あの人だったらこんな時どう考える?なんて言う?
そんなことばかり考えてた。
知的で、優しくて、ユーモアがあって、友人の多い人だった。
悲しいことに、私と真逆だった。
四六時中その人のことを考えていた気がする。
最近、その人のTwitterを見るのをぱたんとやめた。
自分の中で諦めがついたのかもしれない。
他の誰かにはなれないと分かったのかもしれない。
一生懸命、その人の思考をインストールしてみても、生きてきた過程も環境も違うので、再現なんて無理だった。いや、再現してもきっと意味なんてなかったのだ。
他の誰かになろうとして、私は自分の本当の願望を見るのがより下手になった気がする。
私は本当は何て言いたかったんだろう?
本当に欲しかったものって何だろう?
少しずつ考えれるように頑張ろうと思う。
憧れのあの人のように素晴らしい人間にはなれないけど、これから少しでも良い人間になれるように、良い人生を歩めるように。