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2.挑戦するつくりは乳酸菌を飼いならすこと?

私の大学時代の専攻は日本近現代史でして、明治・大正時代の書物を読むことにおいては人より慣れていると思います。

「馴養(じゅんよう)」とは生物などを飼い慣らし育てることを意味するようです。

つまり「乳酸馴養最新清酒連醸法」はいまから約100年前ぐらいに
乳酸菌を飼いならすことで乳酸をつくり(もしくは乳酸自体を飼い慣らし)
連醸する方法→現在の速醸酛の原型を著しています。

この本は新潟県糸魚川市出身の江田鎌治郎氏が1909年に速醸酛を開発し、全国の酒蔵を飛び回っていた頃に、乳酸を使った様々な酒造法をまとめたものになります。

いろいろごちゃごちゃと歴史を書きましたが、今回恩田酒造150周年で挑戦するキーワードは「酸基醴酛(さんきあまざけもと)」です。

酛とはお酒のもとになる酒母のことを指します。

酒母の製法には先ほど書いた速醸酛や、速醸酛以前一般的だった生酛(きもと)などがあります。

酸基醴酛とはその酒母製法のひとつになります。

詳しくは別の記事で書こうと思いますが、ひとことで言うと
乳酸菌を飼い慣らし、育てる酒母です。

日本酒の酒母では酵母を純粋に培養するために
酸性環境にする必要があります。

  • 速醸酛は乳酸を加え、即座に乳酸環境にする方法

  • 生酛は蔵に住み着いている乳酸菌を呼び込み乳酸発酵によって乳酸をつくり酸性環境にする方法

酸基醴酛は培養された乳酸菌を加え、乳酸発酵によって乳酸をつくり酸性環境にする方法なので、その中間にあると言えると思います。

さあ、わくわくする微生物の世界に足を踏み入れたわけですが、
どういった乳酸菌を使うのか?(手にいれることができるのか?)
今の恩田酒造の設備で可能なのか?
考えないといけないことが出てきました。
まさに温故知新&未知のチャレンジ
楽しみですね。

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