誰の側にいて学ぶか、が問題。
AIは枠組が大事だ。
量的なものから探し出すことに長けていてもその枠からはみ出すことはない。
AIがテーマの仮面ライダーゼロワンをみていた。
初代から仮面ライダーが好きだ。改造人間となった悲哀を背負って戦う本郷猛の姿が魅力的だった。
今作の主人公AI会社社長飛電或人は悩まないタイプかと思いきや結構悩む。極めて現代っ子のライダーだ。
AIを信じ人間と共に生きる未来のために戦うライダー。コロナで書き込み不足があると思うが徹底的にAIとの共存について描いている点ではとても好意的にみている。
この世界観ではシンギュラリティ=自律(というより自立?)は心を獲得し(ココだよ笑)自分で選びとった立場を意味する。彼の秘書AIヒューマギア(アンドロイドとは言わない)イズはシンギュラリティに達している設定。第40話でイズは或人の指示で膨大な自分のデータの中から消滅した善のAIゼアを再構築する。イズは計算する過程で何度も或人の死を導きだしてしまい或人の死なないルートを探しだし無事或人をゼロツーにアップデートさせるという回だった。
枠組みを指示するのは人間で膨大なデータから抽出するのがAI。なるほどわかりやすい描写だった。私は感心した。私のような勘が悪い大人のために分かりやすくしてくれているのか(笑)
テーマは機械との共存。
だが既にAIに対して違和感というのは子どもたちに多分もうあまりない。
このライダーもそうだが虚構はAIを肯定しているしスマホのSiriもAlexaだってある。共存に対して恐れがあるのは大人だ。大人が自覚すべきは「もう生活になるんだからね」という現実だ。
いま子どもにとって問題なのは共存ではない。
問題の枠組みを作れるかどうか、そんな人間になれるかどうか、対応する柔軟性があるかどうか、だ。
親はここにアタマを悩ませてあれこれ苦労している。
AIが弾く仕事は将来たくさんあるだろう。
こんなに明確にAIというものが形になる前、私が子育て真っ最中だった頃いずれ必要になる人材について考えていたことがある。
私は数学的思考が全く出来ない。
論理的思考ができないから感覚的、直感的なものに頼らざるを得ず随分と生きていく上で不利益を被った。両方の思考が出来ればどのような社会になっても対応出来るだろう。
創造力と論理的思考。無敵ではないか。
子ども達には数学と国語力だ。それを学習出来る機会を確保することが親だ。そう考えていた。
国語はまだ何とか環境を与えられるだろう。
さて、もう一方の数学的な教育は?
苦手だから分からないのであって策があるようならやっている。これはもうお手上げ状態。ならば外注するのが1番だ。結果、ありきたりかもしれないが繰り返し学習であまりにも有名な塾、公文に通わせた。
通わせてわかったことは遺伝子!
子供たちはやっぱり数学が苦手だということ。
親に似たのか数学的思考の獲得は無理!
私の計画はここで既につまずいていた。
まァ普通レベルには出来ていたのでそれと良しとして、なんにせよ高望みはいけません(自重)
勢い込んで理想を掲げてやっては見たが上手くいったかどうかは半分半分だ。
良かれとやってみたいろんな誘導も上手くいったのかどうか果たして分からない。
今20代の我が子たちはギリギリデジタルネイティブに入る(というか入れてくれ)
当たり前にどこでもAI的なサービスが受けられて普通に人間を補完してくれる存在になっているだろう未来。
ひとつこれは大丈夫だろうと思うことがある。
どんな時代になっても我が子たちはスタンスがあまり変わらない。ひとりで楽しむ遊びが好きで生活していく力があり社会に対してあまり悲観がない。
とにかく生きていくことは出来るだろう、と思うのだ。あっちこっちぶつかりながらも。
稼ぎはしなさそうだけれど(確信)
秘書AIイズは敵のヒューマギアに「あなたも或人さまの側に居ればわかります」と説得した。イズは或人の側にいてインプットするのは或人の行動。イズを形づくるのは或人の人となりだ。
最終回は絵面的には地味だがラスボスは「悪意」という概念だった。戦うのは自分の心。罪を憎んでヒューマギアを憎まず、といったところか。
AIは学ばせる枠組みのセンスが悪ければ暴走するだろうし要は学習させる中身のセンスが問われているのだ。
子どもで言えば枠組みを教育方針と言い換えてみると数学だ国語だと言ってみたけれどブレなかったのはたった一つ「好きなことをみつけて楽しんで生きろ」だった。
オタクでほっておけば自分の好きな事に夢中で楽しんで親をやってる私の側にいて受け取るものはこのブレない点のみ。子どもたちを形作ったのは親の姿勢。行動。普段の生活。インプットするのは周りにある全てのこと。
親以外の雛形が欲しければ気に入ったどこかに放り込んで放っておけばいい。外注するのが手っ取り早い。
それも含めて誰の側にいるのか周囲の何に触れさせるのか。ここが枠組みでコアな部分。インプットを取捨選択し自分の姿勢を見せられるのか親なんだな。と改めて思う。子どもたちに良かれとやってきたことに反省は沢山あるけれど後悔はない。失敗もあったけれど。
比較的楽な社会で生きてきた世代である私たちは過酷なこれからの時代を生きていく子どもたちに有効な武器を充分に渡してあげられなかった。申し訳ない気持ちだけど精神的に対応出来る強さは渡したはず、だ。最低限の変身フォームで世に放った。後のアップデートと武器は自分で調達してくれ。
昭和のヒーローのように孤独を背負って戦うスタンスではなく。
孤独と共に生きていくスタンスで。
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