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低次な欲求を抱く僕…。もっと高尚に生きたいと,そう思っているハズなのに…。
妻のゆかりちゃんは、なんちゃって鉄子さんです。
鉄子とは、鉄道が好きな女性、または女性の鉄道ファンという意味です。
ちなみにこれに対して、男性の鉄道ファンは「鉄っちゃん」と言います。
初めて、東北新幹線に乗ったゆかりちゃんは、軽く興奮していました。
乗るまえに、新幹線の”顔”を撮りに移動したほどです。
東北新幹線はやぶさは、盛岡で、後方の東北新幹線こまちと分離します。
東北新幹線はやぶさは直進して青森へ向かいますが、東北新幹線こまちは、西に進路をとって、秋田へ向かうのです。
僕のnote友だちの書きのたねさんは、この連結切り離しを、わざわざ降りて見学したそうです。
参考動画 ↓(書きのたねさんの動画ではなく、ネットで見つけたものです)
たった2分とちょっとの動画ですが、見ごたえあります。
これをわざわざ見る……。
書きのたねさんは、かなりの鉄子さんなのでしょう。そのように推察しました。
僕の故郷の岩手県宮古市には、僕が子どもの頃、山田線という1路線しかありませんでした。
今思えば、幼少期、保育園まで歩く道の隣に線路がありました。母から、「危ないから絶対に入っちゃダメ」と言われました記憶があります。
1時間に1本くらいしか運行していない山田線です。走る汽車の姿を見かけた記憶がありません。
ちなみに山田線は、電車ではありません。パンタグラフがありませんから。
たぶん、ディーゼル駆動の”汽車”です。
小3のときに、宮古市の北の端に転校すると、山田線さえ通っていない地域でした。
現在なら近くを、三陸鉄道が走っています。それは、昔からあった線路を走っているハズです。子どもの頃、田老町のおばあちゃんの家のすぐ近くに、線路がありました。「汽車は来ない」ということで、線路もトンネルも、子どもたちの格好の遊び場だったのです。
長々と書きましたが、僕は、電車(汽車)には無縁な子どもでした。
そんな子どもの僕が興味を持ったのは、車です。
カッコイイ車です。
1番好きだったのは、ランチア・ストラトスです。
今見ても惚れ惚れします。
カウンタックも好きでした。
日本車なら、セリカが好きでした。
ほぼ全ての日本車が、アメリカ車やドイツ車、イギリス車のデザインを真似ています。
これは未だにそうでしょう。
このセリカは、間違いなく、アメリカ車のマスタングを真似ています。
![](https://assets.st-note.com/img/1672885120693-3UvbBuvCWW.png?width=1200)
子どもの頃は、このような、とにかくカッコイイ車が大好きでした。
憧れていました。
フェラーリとかは、なぜ名車と呼ばれているのか理解できませんでした。
子どもの僕には、カッコ良く見えなかったからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1672891270777-cnyqSeBLYB.png?width=1200)
今は、フェラーリの良さが分かります。
フェラーリは、カッコ良さを追求していません。
美しさを追及しているのです。
55歳の僕は、今では、カッコイイ車には心が1ミリも動きません。
なんなら、日本車の場合、嫌悪感さえ抱きます。
しかし!
日本にはマツダがあります。
マツダです。
マツダの、美しい車は世界に誇れます。
(デザイナーが日本人ではない気がしますが)
どの国のどの車も真似などしていません。マツダオリジナルです。
今、日本で1番美しい車は、マツダCX-3です。
利便性などクソくらえ!
そういう潔さがあって実現した、この美しいフォルム。ため息が出ます。
ふと思いました。
「鉄っちゃんって、自分が所有できない電車に夢中になるんだよなぁ」
「ほぼほぼ運転することも不可能だし……」
「僕は、大好きな車をいつか所有したいと思っている」
「所有欲、でもあるなぁ」
「魚釣りも、スポーツフィッシング?って全く興味わかないし」
「食べたいから釣るんだよなぁ」
「バス釣りとか、食べないんでしょ?」
「食べたら美味しいから『頑張って釣りたい』以外の動機が分からない」
鉄っちゃんは、電車を所有できなくても電車に夢中。
バス釣りする人は、バスを食べないけど夢中になっている。
これ、似ていないか?
スポーツカー好きは、いつか本物を所有したいと真剣に願っている。
ワカサギ釣りや磯釣りは、釣った魚を食べたいから真剣に釣りをする。
これも、似ていないか?
女性は、ショッピング(買い物)という行為そのものを楽しむ。
なんなら、何も買わなかったとしても楽しい。
僕は、何かを購入するという目的のためにショッピング(買い物)に行く。
鉄っちゃん、鉄子さんは、電車を愛でる行為そのものを楽しんでいる。
僕は、最も美しい車を所有するために、日々、情報収集している。
鉄っちゃん鉄子さんは、電車を愛でることが目的。
僕は、車を愛でることは手段。将来所有するための調査。目的は所有。
所有欲は、低次な欲求に思えてきました。
鉄っちゃん鉄子さんは、所有できない電車を愛しています。
純粋です。
バス釣りは、食べないのに真剣かつ夢中になっています。『釣る』という行為に対して純粋だ、と言えます。
対して、
所有欲や、美味しい魚を食べたいという欲求は、人間らしい欲求ではありますが、高次の欲求ではありません。
とりとめのない記事になってしまいました。
結論としましては、
次回、ゆかりちゃんと東北新幹線に乗ったなら、盛岡駅での『分離』の瞬間を、一緒に見たいと思います。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。
チャオ!
※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第999話です
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