見出し画像

選択や迷いや決断は減らすべき! しかし僕はこの『楽しい迷い』がやめられない

どこかで、

「人間は1日に7回しか決断できない」
「決断とは、脳のエネルギー消費が凄い」
「ゆえに、些末さまつなことは決断しない工夫をせよ」
「スティーブ・ジョブズが黒のタートルネックにブルージーンズと決めたのは、決断の回数を減らすためだった」

と聞きました。

なるほどと思い、僕は同じ服を2着ユニクロで買うようになり”その日の服装を悩み決める”という作業と決別しました。


そんな僕が、好んで悩むことがあります。

観る映画の選択です。

なんなら、映画を観ている2時間より、レンタルビデオ店での2時間の方が楽しいような気がします。借りるDVDの選択に2時間かけたことはありませんが、きっと苦痛ではない気がします。1時間くらいは過去に何度も悩みましたし、それは全然苦痛ではありませんでした。

黒澤明監督の映画を、全て観尽くしたい。
いや、アカデミー賞の作品賞を先に制覇しようか。
ジャンルは、コメディーかアクションか、それともヒューマンドラマか。
サスペンスなら小説の方が良いんじゃないか。
何度も観た大好きな映画にしようか。
いや、観たことのない作品にすべきか。
結局たくさん借りても、いつも観切れないのだから2本に厳選すべきだ。
では、借りるまえにスマホで情報を仕入れよう。
スマホメモの、観るべき映画リストをチェックしなければ。

このように思考しながら動き回っていると、すぐに1時間は経過しています。



昨日、すご~く久しぶりに、ゆかりちゃんと映画を一緒に観ました。

そこで、僕が下準備に候補の映画を調べました。
レンタルビデオ屋さんにはいきません。Amazonプライムで大抵の映画が観れるからです。

映画脚本家、安倍照雄さんのVoicy情報から、

・影の車(松本清張原作)(サスペンス)
・深夜の告白(白黒)
・まぼろしの市街戦(戦争)

を候補としました。

僕の好みを押し付けるワケにはいきません。
ゆかりちゃんの好きなサスペンス映画を、ネット検索して探しました。

・シックスセンス(ホラーサスペンス)
・パラサイト 半地下の家族(コメディサスペンス、ヒューマン)
・ユージュアルサスペクツ(サスペンス)
・三度目の殺人(是枝監督作品)
・真実の行方(リチャードギア、どんでん返し映画)

ここまで絞りました。

ゆかりちゃんはサスペンス好きですが、グロすぎる映画はNGです。血とか暴力とかが苦手なのです。
ハリウッド映画も好みません。邦画が好きなのです。
字幕がダメな可能性もありますので、吹替で観てみるのも一手です。

僕はシックスセンスを2度見ていますが、また観てみたいと思いました。
ユージュアルサスペクツは1度見ていますが、ほとんど忘れてしまっているので、また観たい映画の1つです。

ここまで調べて、やはり「邦画がイイ」と言われそうな気がして、さらに調べました。

・マルサの女
・ストロベリーナイト(竹内結子、西島秀俊)
・砂の器(松本清張)
・アマルフィ(イタリアが舞台の日本映画)

僕が観てみたい、かつ、観たことのない邦画です。

こうして、調べれば調べるほど観たい映画が増えます。

この下調べの時間がメッチャ楽しいのです。本当に楽しいのです。

遠足中より、その前日が楽しい。
旅行中より、プラン作成中が楽しい。
プレゼントを渡す日より、プレゼントを選んでいる日の方が楽しい。

映画も観ているときと同じかそれ以上に、何を観るかと悩み検討している時間が楽しいのです。



ゆかりちゃんに、候補の映画を説明しました。

検討の結果『砂の器』(松本清張原作のサスペンス)を観ました。
古い映画です。丹波哲郎さんが主演でした。

映画の前半は、犯人捜し。というか被害者の特定から。
映画の後半は、犯行の動機、犯行の背景、犯行に及んだ心理描写。

僕の中では、まあまあ良い映画でした。75点くらいでしょうか。ピアノの演奏シーンが長すぎなければ80点でした。



さて、僕は謎なのです。

文筆家家業に専念するために、大好きな映画鑑賞をあきらめています。
ホンの少しでいいと、そう心に決めたのです。

時間がもったいないからです。
時間は有限です。
取り戻すことも不可能です。

映画を観る時間があるのならば、書きたい文章を書こう。
書くべきだ。
しばらくは書くことを優先すべきだ。

まあ、たまには、大好きな映画を観てもイイだろう。

ここまでは納得できます。

なぜ、何を観るか に、多くの時間を割くのでしょうか?

ここが納得できないのです。
納得できないのですが、どうやら僕は楽しいのです。
何を観るかと、悩み、調べ、考え、絞り、決める、という工程が楽しいのです。

謎です。
全くもって合理的ではありません。

どんな心理なのでしょうか?



月に1度くらいは映画を観ようかと思っています。
できれば、ゆかりちゃんと観たいのですが、ゆかりちゃんはそうでもない感じです。

僕は、ゆかりちゃんとのクオリティタイムが大事で、ゆかりちゃんはクオリティタイムはそんなに大事ではありません。

ゲーリーチャップマンさんの言う、愛の言語の1つがクオリティタイムというものなのです。




僕の、映画選択中が楽しいのは、ウインドーショッピングの楽しみに似ているのでしょうか。

ゆかりちゃんは、洋服を選んでいるとき、とても楽しそうです。
なんなら、結局なにも買わなかったとしても、それでも楽しそうです。

僕は若かったころと違って、そういう女性のショッピングに楽しく同行できるように変わりました。
今日も、ゆかりちゃんの買い物に同行しました。

楽しかったです。

ゆかりちゃんが大好きなのです。



おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第648話です


PS.僕の処女作『いいかい、タケルくん』発売しました!


ご一読いただけたら幸いです。

kindleアンリミテッド会員、Amazonプライム会員は、全て無料で読めます。こちら ↓ に詳しく書きました。


いいなと思ったら応援しよう!

奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
コメントしていただけると、めっちゃ嬉しいです!😆 サポートしていただけると、凄く励みになります!😆