子どもの あざ と選択 3
生きるということが、小さな一瞬一瞬の選択の連続であることはあたりまえだけれど、時に慎重な選択、大きな選択をする必要が出てくる事がある。
「生まれてきた赤ちゃんにはあざがあります。」
じゃあ、何をするのかしないのか。
あざのレーザー治療というものは厚生労働省の高度先進医療として認定されており、現在では皮膚疾患の治癒を目的として健康保険が適応されています。
全身麻酔で3ヶ月毎の入院
この子の場合のレーザー治療は
① 保険適応となる3ヶ月ごとに行います
② 広範囲のため全身麻酔をして行います
③ 1回の入院は2〜3日要します
④決まりはないが通常数年続けます
ここで私たちには初めて「迷い」が生まれました。
え!? 全身麻酔……。
この幼い子どもに。3ヶ月毎に全身麻酔。
3ヶ月毎に2〜3日の入院。
やらなくても健康に生きていける治療に対して、リスクのほうが大きいのではないか。
全身麻酔回復後の経過をみるための入院が1日とってあることはよく理解できたが、
子供の身体的負担と、精神的負担。
何よりやらなくても良い治療。
どうしても立ち止まって考える必要があったのです。
個人の形成外科も良いですよ
この病院でということでなければ、形成外科でも治療が受けられますよ。
必要であれば以前この病院で勤務していた医師のやっている形成外科も紹介できます。
その様なところなら、全身麻酔なし、入院なしが一般的です。
迷いはじめた私たちの反応を待って、形成外科での治療も提案してもらいました。
私たちは、今後小児循環器科でこちらの病院に永くお世話になることを決めていたので、安易に同じこの病院であざの治療もして貰えば良いと考えていました。
でも、別での治療も提案してもらったため、
親である私たちがどうしたいのか
子供の負担はどうなのか
数年通えるのはどんなところなのか
リスクはどうなのか
など。
一度持ち帰り、治療をするのかしないのか、治療するならばどこでどの様に行うのか、十分に検討しようと決めました。