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玄関先にヤマドリが献上されていたので食べたのだ。

ヤマドリを知っていますか?
火の鳥のモデルになった、と書いてあったよ。
そんな美しい鳥を食べた話。


その日の前夜は一年で一番地球と月が近くなる満月だった。

朝起きて、外に出た夫が鳥を片手に帰ってきた。
暗くてよくみえない。
トサカのない鳥、まだら模様の鳥、
そんな
まさか
今、我が家にはたったの二羽しか雌鶏がいない。
需要と供給のバランスがまだとれていないのに
雌鶏が何者かにやられたのか、はたまたその時が来て天に召されたのか。
一瞬ひやりとしたけれど、
よ〜くとみてみたら、碁石チャボではない。
ヤマドリかキジのメスだった。

どうしたの?
と聞くと玄関先で召されていた、と。

それは確実に猫の仕業だった。
猫がそだな大きな鳥を狩るのかな?とお思いの方もいるだろう
猫は狩る。
キジや鳩など野鳥を狩ろうとしている姿は目撃したことがあるし
我が家のモクは今までに数回野鳩を連れてきた。
友人と暮らしている猫はキジを捕まえてきたと言っていた。

こないだモクが鳩を捕まえてきた。
堆肥小屋か堆肥枠にいれようと考えていたけれど、
スズメバチが食べにきたりしていたので
さすがだね、とタイミングをみていたら
カラスがそれ毎持って行ってくれた。
おかげで綺麗になっていた。
もしかしたら、カラスはお礼をしてくれるので
ヤマドリはカラスの仕業かな?と
一瞬掠めたけれど、カラスがヤマドリを狩るのかどうかは知らない。

環境のこと、エネルギーのこと、からだのこと、いのちのこと
まだ知らないことだらけだけど
今はお肉を食べる選択をしている。

おじいちゃんが肉屋で子供の頃は肉が食べれなかった。
妊娠したら、からだがより動物性を求めるようになった。
今の土地に住み、自分の食べ物を自分で作るようになり
野菜を食べる量は増えて、お肉を買う量は減ったけれど
ジビエや卵をありがたく頂く
ということについてよく考える。
できる限り地域のお肉屋さんで買いたいし
スーパーでお肉を買うこともある。

ヤマドリは、
田んぼにいたり、
道路を横断していたり。
飛んでいる印象はあまりなくて
よくすれ違う鳥である。

すれ違うたびに
食べたいな
と思っていた。
きっと美味しいと思った。

夫と山寺に登った時
見渡す限り私たちしか人がいない空間で
ヤマドリと遭遇した時がある。
美しいな、と同時に食べたいなと思ったのである。
あの時は確か口にした。

そんなヤマドリがむこうからやってきた。
猟銃の免許もない我が家に、
健康そうなヤマドリが置いてある。
首あたりに致命傷をおって召されたのだろうが、
誰も肉体を食べてない、綺麗な状態でそこにいる。
死後硬直もしていない、まだ柔らかい、軽くない。
少し前の私たちだったら、土に埋めたりしていたかもしれないけれど
恐れを抱いていたかもしれないけれど

これは食べよう。

とすぐに決断した。

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