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『魔道具師ダリヤはうつむかない』感想

アニメ『魔道具師ダリヤはうつむかない』を全話見たので感想。
赤髪ヒロインにつられて見た。
なお、自分は所謂なろう系が基本的に嫌いで本作も原作は読んでません。

「魔道具師ダリヤはうつむかない」のここが良い

・赤髪ヒロイン(個人的な趣味)。
・なろうの定番俺つえー要素が無い。
・ダリヤにとって大きな存在である父親カルロとの日々にしっかり話数を割いた上で、周りの人々がその父への恩返しという形で助けてくれるので、父の愛情と知人の温かみを感じられる。優しい世界。
・後述の作画に問題を抱えながらも、致命的な構図や演出は無くアニメとしての体は保たれていた。たとえば、最終回はダリヤとヴォルフの墓参りのシーンを代わる代わる映す演出がとられ、アニメならではの現実的な時間を感じる事ができた。
・タイトルの「うつむかない」は前世の死の景色と関連した物だが、ダリヤが父カルロに愛されて育ったことから説得力もあり、OPで顔を上げるカットが描かれるなど前向きな一面が強調されている。
・唯一の悪役トビアスは、次第に募っていくダリヤへの嫉妬が描かれ心情の変遷には納得がいくので、女性向けなろう定番の婚約破棄モノのような不条理さはない。

「魔道具師ダリヤはうつむかない」のここが悪い

・光源という概念が吹き飛んでおり、人を含むほぼすべてのオブジェクトが常に下半分影に覆われている。夜だろうが逆光だろうが空を飛ぼうがお構いなし。気付いた人は不幸になる。
・作画クオリティが終わりかけており、動きがカク付くだけでなく全話通して同じ絵と思しきものが複数回登場する。使い方でフォローを試みているのがひしひしと感じるが、限界はある。9,10話が一番ヤバい。
・転生前の記憶をがっつり持っている。そんな状態で「この魔道具の名前はドライヤー」とか言うの本当にやめて欲しいし、転生前の父親を記憶しながらカルロを父と慕える感情がわからん。タイトルに関わる死の直前の記憶だけ持ってるようにして欲しかった。

総評

なろう的不快感は希薄だが、世界観の説明や表現が不十分で「魔道具」作りも何をしてるのかよくわからず、ファンタジーとして作り込みが甘く微妙。
人間関係に関しては十分納得のいく形で描かれており、極端に露悪的だったり都合よく優しいキャラはいない。カルロの借り便利すぎと感じるかもしれないが、カルロは男爵を戴く程の人物であったため顔が広く、知人に一人娘の後を頼むのは自然と言える。
アニメ本編でブラッシュアップされる程大きな出来事は無かったので、面白くなるのはこれからな気がした作品。

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