見出し画像

つらつら紅葉の旅日記、day1那須、旅支度を添えて。〜殺生石→鹿の湯→つつじ吊橋→恋人の聖地で彩雲→駒止の滝→瑞穂蔵→沼ッ原湿原→乙女の滝→WHITE NOTE〜

エメラルドグリーン・コバルトブルー
ターコイズブルー・エメラルドブルー
パステルブルー。

自然が作り出したものとは
思えないほど美しく輝く、
神秘の湖沼「五色沼」。
ご存知でしょうか?

1888年、福島県北部にある
磐梯山が噴火。
水蒸気爆発により、
数百もの湖沼が誕生しました。
そのうちの
数十の湖沼群を
「五色沼(湖沼群)」と呼びます。

その美しさは
ミシュラン・グリーンガイドの
1つ星に認定される程。

毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼
弁天沼・るり沼・青沼・柳沼など
多彩な湖沼があり、
季節や天候、時間帯によって
見える色も変わります。

秋はその変化をより楽しめ、
紅葉の時期は多くの人が訪れます。 

特に朝方の霧にうつる五色沼は
オーロラのように幻想的です。


そう。


そんな日本が誇る、
「五色沼」をメインに10月末
耳男くんと4日間、
紅葉の旅をしてきました。

旅の想い出を
日記代わりに綴ります。



やっと訪れた
耳男くんの遅めのお盆休み。
なかなかない、4連休。

どこに行こう?

「五色沼の紅葉を見てみたいね。
そこメインで周辺を周ろうか。」

前から気になっていた福島県にある
「五色沼」に行くことに。
周辺の天気予報は
晴れだったり雨だったり。

【五色沼周辺】
10/23(土) ☂
10/24(日) ☁→☀
10/25(月) ☀→☁
10/26(火) ☂→☁


おススメの時間帯を調べたら
① 早朝は人も少なく
    沼の美しい変化が楽しめる
②紅葉の時期は混むため
   平日がおススメということ。

「晴れている場所」が旅先の私たち。

旅の後半にはなるけど
晴れ予報の10/25(月)の早朝に
メインの五色沼に行くことに。

図書館でるるぶを大量に借りて
出発の前夜、
天気を考慮しながら
ざっくり行き先を決めました。

【予定】
10/23(土) 栃木県 那須・那須塩原
10/24(日) 福島県 猪苗代・磐梯高原
10/25(月) 福島県 五色沼エリア
10/26(火) その時の気分
 
「じゃあ、そんな感じで行きますか」
「うん!」

朝2時、50TA(狩野英孝)の
「紅葉見に行こう~よ」を聞きながら、
出発。

休憩と仮眠を挟みながら
車がスイスイと進む時間帯に
那須へ向かいます。

耳男くんが運転している間、
助手席ではなく
後部座席のベッドで爆睡する妻。

起きたらいつの間にか
那須でした。

さあ、旅の始まりです!

連休1日目(10/23(土) )は
那須の旅。


パラパラ☔︎、
ザーザー⚡︎、
どんより☁︎、
ピカピカ☀︎。

雨予報ではなかった那須。
だけど山の天気は変わりやすく、
雨が降ったり止んだり。

最初に向かったのは
「殺生石」という場所。
那須湯本温泉付近にある溶岩です。

少し怖いその名前は
付近一帯に火山性ガスが噴出し、
昔の人々が「生き物を殺す石」だと
信じたことから付けられました。

他にも、
鳥羽上皇が寵愛したという
伝説の女性・玉藻前の正体が
妖狐の化身であることを見破られ、
逃げた先の那須の地で討伐されて
石となった…。
という逸話があり、
その石は毒を発して
人々や生き物の命を奪い続けため
「殺生石」と呼ばれるようになった
という説もあります。

車を降りると、

「あ、止んだ」

雨が上がり、テンションアップ!

「わっ、岩のカタチがすごいね。」

「ゴジラでも出てきそうだね」

初めての景色にはしゃぎながら
互いに写真を撮ります。

「このお地蔵さん、
バランスおかしくない?
可愛い」

道の途中には
大きな手に小さな顔をした
アンバランスなお地蔵さんたち。

何心を込めて何かを
祈っていました。

「パン子ちゃん、あっちの空見て。
晴れてる。
こっちも次第に晴れるよ!」


連休初日、
心が解放されたように明るく笑う耳男くん。
私も嬉しくなります。

「殺生石」 はコロンと佇んでいました。


一周して車に戻るとまた雨が。
ちょうど厚い雨雲にかかっています。

「雨が止むまで、温泉に入る?」

ということで一分先にある
「鹿の湯」に行くことに。

「鹿の湯」は
松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の前半に
立ち寄った温泉でもあり、
41、42、43、44、46、48度の
6種類の浴槽から
好きな温度を選んで入浴します。

ひなびた木造建築が、
はるか昔の日本の原風景に
タイムトリップしたかのような
感覚になる温泉。

洗い場はないため、
ちょっと温まりたい気分の時に
気軽に立ち寄るのにおススメです。

早朝にも関わらず、
それぞれの浴槽におばあちゃん達が
ゆったりくつろいでいました。

42℃の浴槽に入ると、
目の前に足を広げて休憩する
おばあちゃん二人組。

すごいアングル。

どこを見ていいか分からず
天を仰ぎました。

すると差し込む光に湯気が映り、
なんとも神秘的な絵が空中に
描かれているのを発見。
なんだかトクした気分。

「生きてる間に
いろんなお花見ないとね~」
「死んでからお花生けられても
見れないからね~」
「そやそや。
生けてくれるかも分からんけどな~」
「はっはっはっ」

「あんな旦那やけど、
一人取り残されたら寂しいわ」
「なんだかんだ
生きてくれてることに感謝やな。
うちんとこは
一緒に死にたいていいよるわ」
「そりゃ殺人やな」
「はっはっはっ」

耳にはシュールなBGM。

終始おばあちゃんの股が目の前にある
嬉し恥ずかしな朝風呂でした。

「ほっ。」
 
ゆっくりのんびり温泉でぽっかぽか。
耳男くんを見て、
長生きして欲しいなあと思いました。

温まった体で観光案内所へ。
展示物やパンフレットを見ながら
那須の歴史や旅スポットを
教えてもらいました。

(最初にビジターセンターみたいな
所に行っておくと旅の世界が広がるので、
何気におススメです。)

紅葉がはじまったばかりの那須。
紅葉スポットである、
「つつじ吊橋」へ向かうことに。

案内所を出ると、
ちょうど私たちの頭上だけ
雲がなく晴れています。

「パン子ちゃん天気の子だから、
今日はこれから晴れるよ」

「天気の子は耳男くんでしょ?」

「あと、今日は彩雲日和だ。」

「わかるんだ。」

「晴れるよ!」

映画「天気の子」を見て以来、
雨予報の時は
てるてる坊主代わりに
「晴れるよ!」と唱えるのが
日常になった私たち。

車の中でも何度も耳男くんは
「大丈夫、晴れるよ!」
と自信たっぷりに言っていました。

雨は降ったり止んだりを繰り返しています。

「つつじ吊橋」に到着。
すると…
本当に雨が止みました。

「やったね!」

「うん!」

少し歩くと…

「わあ〜!すご〜い!」
大きな橋と
少し紅葉した山並みが広がります。

歩く旅にゆらゆら揺れる
吊橋。
今日の天気のように揺られながら、
紅葉と空の合間を渡ります。

「キレイだね~」
「ほら、晴れたでしょ?」
と自慢げな耳男くん。

そうだ、パン子にとって
キミは天気の子だ。

心のほうもピカピカ。

遠くの空は明るく晴れています。


「それにしても今日はいい雲だね~」
「彩雲が見れそうな天気だね~」

青空よりも
小さな雲がギュッと密に並ぶ空が
好きな私たち。

紅葉より雲に夢中になっていました。

吊橋を渡ると、先に散策コースが。
お散歩がてら回ってみることに。


すると
ツルッ!

足場が凍っていました。
秋と言っても、那須の朝は冷えています。

「危ない、危ない」
そう言いながら無邪気に
スライディングごっこをする耳男くん。

「もう、コケるよ。」
「へっへっへっ、そ~れ」

中学生か。

「コケても知らないよ!危ないよ」

「あ、そうかそうか。
そうだった、
パン子ちゃんの手つないでないと」

「え?」

「だって、パン子ちゃんすぐコケるから。
手つないでないと
『耳男くんが手つないで
なかったけん、コケた!』
ってボクのせいになるからな」

たしかに。
いつもコケそうな道は
手をつないでくれるのに、
ちょうど
つないでない時にコケて
耳男くんのせいにしたことがあります。

「大丈夫だよ。
今は元気になったから
簡単にはコケないよ。」

「あ!こんなところに可愛い苔が!」

「これが本当のコケやん」



3分後…。

ザザザッ。
(パン子の足音)

がしっ。
(耳男くんの袖が擦れる音)

イナバウアー!


まさかの凍った足元に
無言で背中から滑る私。

その音に条件反射し
つないだ左手を
ギュッと引く耳男くん。


華麗なフィギュアスケート、
イナバウアー状態で
停止しました。

何が起こったか状況が呑み込めず、
互いに時が止まります。

あと数㎝で頭が泥沼なのは
背中越しに伝わりました。


「あはははは!」

たぶん、
荒川静香さんより垂直なイナバウアー。

あまりのファインプレイに
イナバウアー状態で
笑いが込み上げます。
ヨダレもでます。

20秒くらい耳男くんだけに
イナバウアーを披露しました。

ひょい!
耳男くんが私を起こします。

「ね、ボクすごくない?
ザザザッっていう音だけで
パン子ちゃんのこと助けたんだよ」

「すごいよ!耳男くんは
ほんとパン子のこと守ってくれるね。
パン子、
生まれてはじめての体勢になったよ。
世界一のイナバウアーだった。
ペアで金メダル!」

「年一の大きなピンチを救ったね!
年一ヒーローだ」

「年に一回のヒーロー!?
耳男くんは毎日ヒーローだよ。
毎日ヒーローに金メダル!」

「そんなつもりないんだけどな。
じゃあ、
『7無意識ヒーロー』だね、ボク」

「無意識ヒーロー!
めっちゃいい名前やん。
一番理想のヒーローやん」

「そう?」

「みんなヒーローになりたいて、
意識的やん。
無意識にできるてすごいよ。
そっか。だからか。
そう思ってないから、
見返りとか恩とかそういう概念が
耳男くんにはないんだろうね。
無意識ヒーローに
金メダル! 」

客観的にみれば
コケそうになった妻と
それを助けた旦那という
構図。
ただそれだくなのに、
めちゃくちゃ盛り上がりました。

でもこのハプニングが
一番の思い出になりました、とさ。


イナバウアーをした後は、
「恋人の聖地」と言われる
那須高原の展望台へ向かいます。

また雨が降り出しました。
だけど、
どんなに土砂降りでも
スポットに着くと不思議と、

「ほらまた晴れた!」

今日は天気が
味方をしてくれてるみたいです。

雨上がりの空を嬉しそうに仰ぐ耳男くん。

今日は雲の流れがとても速い。

「雲の大移動だね」

「耳男くん、
なんか今のいい表現よ。」

「あ!
絶対見れるよ、彩雲。
太陽のとこ見てて。」

その時を待つ。

「あ、あ、あれ彩雲じゃない?」

「わっ!本当だ!キレイ!
…あ、消えた」

「大丈夫。また見れるよ。空見てて」

じっと空を見守る。
本当に今日は雲の動きが柔軟だ。

「あ、あ!彩雲!」

「わっ!でた~!
すごい!オーロラみたい!
今まで見た中で一番大きくて七色!
空との距離が近いからかな?」


感動。
周りの人たちは気づいてないようです。

「みんなに見て欲しいな〜」

幸せは空の上にあるよ。
あなたの真上にいるよ。


一瞬の彩雲で、
ずっと幸せ。

彩雲という言葉を教えてくれたのは、
耳男くんです。

「絶対、見れるよ」

予測するのがとても上手で、
自信気にワクワクしています。

そんな耳男くんは、
雲研究者の荒木健太郎さんから
彩雲を学んだという。

実は私も図書館で
荒木健太郎さんの
「雲を愛する技術」という本を見つけてから、
さらに雲が好きになりました。

私たちが好きな映画「天気の子」を
監修したのも
荒木健太郎さんだと最近知りました。

雲が好きな人たちは
どこかでつながるのかもしれない。

今年の誕生日プレゼントは
健太郎さんの本「雲の教室」でした。
写真がキレイな本で
おススメです。


彩雲に興奮したあとは、
「駒止の滝」へ。

コバルトブルーと美しい紅葉が
互いに魅力を引き出し合っていました。


紅葉を愉しんでいたら、
お腹もペコペコ。
「瑞穂蔵」という和食屋さんへ。

とっても美味しい!

耳男くんは釜ご飯を3杯おかわりして
ご機嫌です。


その後は「沼ッ原湿原」へ。


 「天気の子」に出てきそうな場所です。
天気は微妙ですが、
しっかり防寒して散策コースを巡ることに。

しかし。
雨は降っていないものの
寒さと強風が増し、
前に進むのも大変になってきました。
しかも湿原なので足場がドロドロ。


それでも、
せっかくここまできたので
耳男くんは先に進みたいようです。

その気持ちも分かるので
頑張って進みますが…。

やっぱりどうしても
楽しんで散策ができそうになかったので、
引き返すことに。

少しテンションが落ちた耳男くん。

次に「乙女の滝」に行ったのですが
午前中のあの元気がありません。


どうしよう…。
とグーグルマップで場所を探します。

天気は晴れてますが、
予想外の強風。
「自然を楽しみたい」のは
やまやまだけど、
雑貨屋やお土産屋さんが集まる
メイン通りを提案してみることに。
 
すると、それが功を奏しました!
 
何軒か雑貨屋さんを巡り、
「WHITE NOTE」というお店へ。


店に入ると、
もこもこの可愛い帽子が。
 
二人とも同時に目が止まります。
 
「これいいね〜。
絶対パン子ちゃん似合う」 
 
耳男くんが私の頭に
ポンと帽子を乗せます。
 
「あ、可愛い」
「似合う?耳男くんも被ってみてよ」

「小さいかな?あ、調整できるね」
「あ、似合う!すごい似合うよ」

鏡を見る耳男くん。
「おお」

 二人で鏡を覗きこみます。
「可愛いね、これ。」
「2色買おうか」

「え!いいの?
やった~!お揃いだぁ」
「うん、お揃い」
 
ということで、
可愛いお揃いのもこもこ帽をゲット。
 
お揃いが嬉しかったようで、
耳男くんに笑顔が戻ります。
単純。
 
おニューの帽子をかぶって
手をつないでお散歩。

地面には大きなモミジが
たくさん落ちています。

 「このポケットに入るかな」
「いいね、モミジ帽子」

「あ、可愛いやん!」
「耳男くんも似合うよ」

テンションが上がって
互いの写真を撮ります。
結婚しても
カップルみたいな関係が、嬉しい。
 
そのあとはラスクを買って、
ご機嫌で温泉へ。


しかし。

その後ご飯屋さんに三軒連続で
振られてしまいます。

また耳男くんのテンションが
下がってしまいました。
 
「COCOSなら開いてるよ」

だけど、ファミレスは
なぜか毛嫌いする耳男くん。

でも時間も時間なので
「ファミレスもね、
好きなものいろいろ頼めて楽しいよ。
行こう!」
とCOCOSへ後押ししました。

結果、ファミレスは長居できて
明日の計画を立てながら
たくさん食べたいのを注文できて、
意外といい時間を過ごせました。

ハンバーグセット、ポテト、ピザ、
(他にもなんか頼んでた)
そして、ドリンクバーに
満足気の耳男くん。

よかったよかった。

「明日は猪苗代湖行って、
磐梯高原のほう目指そうか」
 
「うん!」

COCOSを出て、
車中泊できる道の駅に車を停め
後部座席をベッドにします。

 
「今日一番楽しかった思い出は?
せーので言おうよ」
 
「分かるやん。あれやろ。
せーのっ!」
 
『イナバウアー!』
 
「楽しかったね、イナバウアー」 

紅葉より心に残る思い出を抱き、
就寝。

無事、一日目が終了しました。

ありがとう、無意識ヒーロー。


day2へ続く…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?