七福神信仰/七福神めぐり
福徳をもたらす神さまを「福神」といい、その代表的なものに「七福神」の信仰があります。
この信仰は、室町時代から起きたものともいわれ、普通は恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋・福禄寿・寿老人の七神があてられます。
このうち寿老人は福禄寿と同体異名であるという説もあることから、寿老人の代わりに吉祥天を入れることもあります。
七福神は吉祥の象徴として、絵画や彫刻、芸能の題材にもされています。
七福神めぐりは、江戸時代、文化・文政(1804年から1830年)の頃から、各地で盛んになり、七福神信仰の風習が行事化していきました。
当時の人々は、正月(元旦から七草)に詣でれば、その年の七難を免れ、七福を得られるとして、それぞれを祀る神社やお寺を巡ってお参りをし、その年一年のしあわせを願いました。
神様それぞれに得意としているご利益があり、すべてお参りすることで不老長寿や商売繁盛、家内安全などのご利益を受けられるとされています。
人形町から水天宮前、浜町の七神を回る「日本橋七福神めぐり」、門前仲町から森下に至る「深川七福神めぐり」、日暮里・谷中界隈をめぐる「谷中七福神めぐり」などがあり、
隅田川東側の川沿いをめぐる「隅田川七福神めぐり」は江戸の街では人気があったようです。
■七福神
恵比寿(恵比須・夷・蛭子)
狩衣・指貫に風折烏帽子を着け、右手に釣ざお、左手に鯛を抱えています。
事代主神や蛭子尊をさすともいわれ、海運守護・商売繁昌の神として信仰されています。
大黒天
頭巾をかぶり、右手に小槌、左手は背負った大きな袋の口を握り、米俵の上に乗っています。インドの神ですが、「大黒」が「大国」に通ずるところから、大国主命と混同されます。
福徳の神で、恵比寿とともに広く民間に信仰されています。
毘沙門天
黄色くて怒りの相を表し、甲冑を身に着け、手には宝塔を持っています。(別名を多聞天)
インドの神であり、財宝の神として信仰されています。
弁財天
「弁天」と略称で呼ばれることもあり、その像にはいろいろと種類があるようですが、琵琶を弾じている女像が代表的な像とされます。
本来はインドの神で、農業の神でしたが、のちに音楽や芸能、知恵の神となっています。
布袋
中国で実在した禅僧布袋和尚を神格化したものといわれています。
肥満体で腹が出ていて布の袋を持っています。円満の神として信仰されています。
福禄寿
中国の仙人に由来するといわれています。
背が低くて頭が長く、髭が多くて経巻を結びつけた杖などを持っています。
長寿を授ける神として信仰されています。(寿老人との混同あり)
寿老人
背が低くて白髪を垂れ、髭が長くて杖やうちわを持っています。
長寿を授ける神として信仰されています。(福禄寿と混同あり)
2024年の正月は「隅田川七福神」を巡ってまいりました。
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