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枕草子 第91話鳥は(2)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

鶴は嘴も脚も長く、大げさな姿をしているけれど、その鳴き声が大空高く響く時など、本当に素晴らしく感じます。
頭の赤い雀、斑鳩の雄鳥、匠鳥、鷺は本当に見栄えが良くない。
目つきの雰囲気も悪く、全てを見たいとは思わないけれど、「ゆるぎの森にひとりは寝じ」ということで、雄同士が雌を求めて争い、夜中に騒いでいるのは、興味深いものがあります。
水に遊ぶ鳥としては、鴛鴦《おしどり》が本当に心を打ちます。
雌雄が互いに羽についた露を払う夜などです。
千鳥も、すごく心をひかれます。

清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢    :「ゆるぎの森に」とは何でしょうか。
清少納言先生:「古今六帖」の中に「高島や ゆるぎの森の 鷲すらも ひ
       とりは寝じと あらそふものを」からです。
舞夢    :「羽の上の露」とは何でしょうか。
清少納言先生:これも「古今六帖」から「羽の上の露うちはらふ友をなみ鷲
       の独り寝するがわびしき」からです。

※古今六帖:平安中期の類題和歌集。6巻。編者・成立年ともに未詳。万葉集・古今集・後撰集などの歌約4500首を、歳時・天象・地儀・人事・動植物など25項、516題に分類したもの。

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