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枕草子 第113話 職の御曹司の(7)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

私が
「私の顔は、行成様がまったく好きになりそうな美しい顔ではなくて『顔いと憎げならん人は心憂し』とおっしゃられたので、お目にかけることはできませんよ」
と言うと
行成様は
「それはそれは・・・嫌いになっても困りますね、それではお顔の見えないようにとしていただけませんか」
とおっしゃられ、自然の成り行きで顔を合わせてしまうような時も、自分の顔などを隠して私を見ることはありません。
本心から、嘘はつかないお方と思っていると、春の末ごろになりますと、冬物の直衣が暑くて着ているのが大変らしい、袍だけになって、殿上の間で宿直をしている姿を見かけます。

清少納言先生:はい、お疲れ様です。
舞夢    :この話も、引き続き面白いです。
清少納言先生:気が合うんですね、なかなか。
舞夢    :直衣のお話と袍のお話をお願いします。
清少納言先生:決まりとしてね、春の終わりまでは、冬と同じ裏のある直衣
       を着るのです。陽気がいいと、確かに暑そうです。袍も下襲
       を省いて、裏のない束帯の袍だけにしている時が多いので
       す。

確かにエアコンなど無い時期。
しかも、京都の夏。
暑さが、皮膚感覚で理解できるものがある。

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