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新古今(12)春日野の 草は緑に なりにけり

天暦御時、屏風歌
                             壬生忠見
春日野の 草は緑に なりにけり 若菜摘まむと 誰かしめけん
                        (巻第一春歌上十二)
春日野の草は、すっかり緑と、なりました。
おそらく、若菜を摘もうと、誰かが標(しめ)を張ったのでしょう。

※天暦御時
 村上天皇御時。(947~957)
※屏風絵
 屏風絵をテーマにして詠まれ、絵とともに鑑賞される歌。
※壬生忠見(みぶ の ただみ、生没年不詳)。
 平安時代中期の歌人。壬生忠岑の子。父忠岑とともに三十六歌仙の一人。
※しめけん
 「しめ」は注連縄などを張り、占有のしるしとすること。

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