見出し画像

未熟な学問の者は、優れた人材を過小評価する。

「末学、大虚を小室に逃す」(空海:秘密曼荼羅 十住心論より)

「末学」は未熟な学問の人、実力的に未熟な人。
「大虚」は大きな能力を持つ人。

中途半端な勉強と知識と実力に安住している人は、真に優れた能力を持つ人を見抜けない、育てられないで無駄にする、そんな意味になる。

あるいは、中途半端な勉強と知識に安住している人が、「自分の地位と面子」を失わないために、能力が伸びるべき人を「妬み」「潰す」ことばかりをする場合もある。
(有望な芽を早いうちに切ってしまう)

わかりやすいのは、以下の例。

才能も能力もない先輩(貴族)が、両方を持つ後輩(平民)に、先輩(貴族)だからと言う理由だけで、苛めをしかける、そういう話は、あちこちのドラマにこと欠かない。
(それでもドラマなので、能力のある後輩(平民)が、やがて先輩(貴族)を打ち負かすことが多いけれど)

結局、自分より低いと思っていた人間は、そのまま低くあっていて欲しい。
抜かれたりしたら、「そんなはずはない」とか「ルール違反をしたのではと疑い」、嫉妬」「妨害、苛め工作」に進む。
物語で言えば、源氏物語。
弘徽殿女御が、桐壺更衣を苛め殺したような展開にまで発展する。

才能を見抜けない、見抜かれないのも災難ではあるけれど、見抜いた後の「嫉妬と苛め」もまた、その人間の程度の低さをさらけ出してしまう。

いいなと思ったら応援しよう!