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枕草子 第182話 返る年の二月廿日より(1)
清少納言先生:今日から新しい段になります。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
翌年の二月の下旬のことになります。
中宮様が職の御曹司にお出ましになられたのですが、私はお供をしませんでした。
私は中宮様の御在所でもある梅壺に残ることとしていたのです。
その翌日のことですが、頭の中将斉信様からのお手紙ということで、
「昨夜は、鞍馬詣でを行ったのですが、今宵は方角のこともあり、そちらに行こうと思います」
「夜明け前には帰るつもりですが、どうしても、お話しておきたいことがありまして」
「ですから、大きな音で戸を叩きたくないので、起きて待っていてください」
のような文言でございました。
ただ、そういう話であったのですが、御匣殿が「局に一人でいるのは何故?こちらでお寝みになられては」とお呼び下さったので、御匣殿の方へと参りました。
返る年の二月廿日より(2)に続く。