新古今(8)風まぜに 雪は降りつつ しかすがに
よみ人しらず
風まぜに 雪は降りつつ しかすがに 霞たなびき 春は来にけり
(巻第一春歌上八)
風に交じり、雪は降り続いています。
しかし、それでも、霞もたなびいているのです。
(ですから)確かに、春が来ているのです。
※しかすがに
そうはいっても
※元歌(ほぼ同じ)
風交じり 雪はふりつつ しかすがに 霞たなびき 春さりにけり
作者不詳 (万葉集巻10-1836)
風に交じり、雪は降り続いています。
しかし、それでも霞がたなびいているのです。
つまり、春になったということなのです。