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枕草子 第93話鳥は(4)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

鶯が夜には鳴かないということについては、眠くて仕方がないと思うしか、仕方がないのではと思います。
夏から晩秋の頃までは、年寄りのような声で鳴き、「虫食い」などと、庶民が名前を変えて呼んでいるのは、残念で気分が悪い。
でも、それも、雀のように、一年中いる鳥なら、それほど残念でも気にもならないのでしょうけれど。
ただ、それも鶯が春に鳴く鳥と思っているからでしょうね。
「年立ち帰る」などと、心を魅了されることとして、鶯は和歌にも漢詩文にも、取り上げられているのに。
やはり、春だけの鳥の場合は、どこまで魅力を高めるのでしょうか。
人間に対しても、貴族らしからず、世間の評判が落ち気味になった人の場合は、それほど悪くは言われません。
鳶や烏の場合は、注意して観察したり、鳴き声を注意深く聞くなどはありません。
ということで、鶯については、誰もが高い評価をしているので、逆に欠点も見逃してはならないと思うのです。

清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢    :鶯については、前回から長文ですね。
清少納言先生:はい、気になりますねえ。
舞夢    :御所で何故か鳴かないこと、庶民から「虫食い」なんて言わ
       れている時期があることが欠点ということですか。
清少納言先生:鶯そのものは、どう考えているのでしょうね。
舞夢    :ただ、鳴きたい時に、鳴きたい場所で、鳴きたいように鳴く
       のでは。
清少納言先生:まあ、それはそうなんだけどさ、鶯は特別なの。

まあ、御所で鳴かなかったのが、一番の欠点なのでは(清少納言にとって)と思う。
まあ、それは、鶯の勝手なのでは。
それを、そう捉える清少納言先生の身勝手さも、可愛らしいものがある。

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