生きる気力を取り戻すために--ほんまにやりたいことって何やろ?
こんばんは。乳がん闘病中のまいです。
食欲なくて、全然何かする気もおきんくて、普通にやってたことができない。ただ、生活するだけなのに。普通に、生活して、日々暮らしてくだけなのに。それがしんどい。
どうしたらえぇかなぁと思って、自分のこころに尋ねてみた。
ほんまにやりたいことって、何?
何で私は東京にもんて(戻って)きたんやろか。
ここで、何がしたいん?
何のために、今、一人で耐えてるん?
ただじっとしてるのが苦手な私は、いつも動いていたい。
何かに向かって突き進んでいたい。
向かう先がはっきりしてなくても、その方向を向いてたい。そっちへ足をのばしたい。
本も読みたくない。勉強もしたくない。行きたい場所もない。食べたいものもない。
何がしたい?何に気持ちがわくわくする?
そう思って、今すぐできることが、
衣装を作ることだった。
買った布地で自分で仕立てたくて。布の水通しまでやった。
いつ使うかは分からんけど。普段着にもできるような、衣装が作りたい。
珍しく、好きな音楽をかけてみた。聴きながら、型紙を切る。
あ、この曲で踊りたいな。
型紙を切り始めたら、外が明るくなってきた。
雨があがって、日が差してきたみたい。
踊りたい。
でもまだ体力が戻らない。踊りたいなら、体力を戻さないと。
お天気がよくなってきたから、久しぶりに散歩に出ることにした。
ご近所だけど、今まで行ったことのないところまで。
音楽を聴きながら歩き始めたら、
あ、なんか、今日は踊れるかもしれない。
踊っても邪魔にならない場所を探してたら、首都高が見える高台に公園を見つけた。空が広い。夕焼け空が見える場所。
音楽に合わせて自由気ままに踊るんは、3ヵ月以上ぶり。
身体は重かったし、思うようにはまだまだ動かんけど、気持ちよく踊れた。
何より、楽しかった。
あ、生きてて、良かったなって思えた。
そうだ。いつも、つらい時、踊った。楽しい時も踊った。
私はなんで、踊るんだろう?
生きてることを表現したいから、踊るんだ。
作品を作りたいとか、誰かに認められたいとかより。
生きるってどういうことかを表現したいから、踊るんだ。
生きるのは、楽しい。
生きるのは、つらい。
生きるのは、面白い。
生きるのは、苦しい。
生きるのは、愛しい。
生きるのは、しんどい。
生きるのは、切ない。
生きてるのは、不思議。
人はなぜ、生きるんだろう。
そういうのを、踊りに込めたい。
だから、踊るんだ。だから、生きるんだ。
私は今、ようやっと、自分が病気なんだということをきちんと認識しようとしてる。その過程。
今更?って感じやけど、渦中にいるときはほんまに全然実感なかったん。だって、どこも痛くなかったし、どこも悪くなかったし。
がんって、初期に見つかると何の自覚症状もないんよね。痛みとか不調とか。でも、そのままにしとくと他の臓器に転移して、だんだん衰弱して、死に至る。放っておいたらあかんの。転移する前に切除してしまえば、不調を食い止められるってこと。逆に、不調が出るまで放っておくと、手術をしても治らん可能性がある。だから、手術できて、良かった、ということ。
手術して、良かったと、そう思うために。
こころが納得するために。
生きてて、良かった。
そうやって実感できる時間が、今、必要。
踊れて、良かった。
そういう時間が、私に生きる気力をくれる。
何のために、東京にもんてきたんか。
踊れる場所があるから。
一緒に踊りたいと思う人たちがおるから。
ここでやれることがあるから。
踊ることで、少しずつ、気力を取り戻して。
病気にこころが負けないで、自分らしく生きられるように。
今やりたいことは、
踊ること。
踊れる身体を取り戻すこと。