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自分の製作タイプ 1

クリエイタータイプとメーカータイプ

10年以上、作家さんを見てると、大きく2パターンに分かれることに気が付きます。

それがクリエイタータイプと、メーカータイプです。

ざっくりいうと、メーカータイプというのは、同じアイテムで複数作ることができるタイプ。
クリエイタータイプは、オンリーワンの作品を作るタイプ。

もちろん、両方のタイプを兼ねそろえている人もいらっしゃいますが、ほんとにザックリで、2パターンいらっしゃる。

ご自身がどっちのパターンが得意か、というのは常々頭に入れておくと、販売方法や、製作方法、お客様の感じなどもつかみやすいです。

例えば、普段こんなことを考えていませんか?

1)自分の商品をたくさん作るためにスタッフを雇ってアトリエを開きたい。そしてたくさん作って百貨店や商業施設で販売したい。

2)数は少なくても自分が製作して、自分のやりたいことを極めたい。個展やイベント出店などで販売していきたい。

1)はメーカータイプ。
2)はクリエイタータイプ。

など、このようにパターンによって将来のビジョンも変わってきます。

それぞれのタイプで売り方、作品の傾向、お客様の様子など数回にわたってお話ししていこうと思います。

メーカータイプの特徴

一人でもたくさん作れる、たくさん作って販売したい、というのはメーカータイプの作家さん。
将来はスタッフを抱えて自分はプロデュースにまわりたい、という人もいるでしょう。

私が最初にハンドメイドの雑貨店をしたいと思ったのは2000年ぐらいです。
まだネット知識もないまま、HTMLでHPを作るところから始めました。
商材は私が作った雑貨。バッグやインテリア、当時はやってたアジアンテイストの雑貨をHPに写真と一緒に並べ、注文はメールでのやり取りのみ、という簡単なものでした。

ハンドメイドの走りだったので、わりと検索で引っ掛かりやすかったのか、ボックス型の雑貨店から声がかかりました。
そのショップと提携している雑貨店の2店舗での納品も決まったんだけど、1店舗目のボックス使用量がかなりかかってしまって、売り上げのほとんどがその使用料になってしまっていた。

それで、どうしようか、と思っていた矢先、大手雑貨店プロデューサーの目に留まり、ベビーグッズの委託販売をしてもらえることに。
その雑貨店が関東に4店舗ぐらいあって、毎年巡回展をさせていただけたので、コンスタントに作品を作っては納品していました。

とにかく数がいると思ったのと、自分でも数を作るのが好きだったので、同じ型紙で色違いを何点もそろえました。
ベビーシューズ何点、スタイ何点、リュック何点・・・。
特にその雑貨店は関東に4軒ぐらい店舗がありましたので、そのすべてに納品。一人で毎日ミシンで縫っていました。
それでもお店がちゃんと売ってくれてたのがありがたかったです。

そのお店の委託は約10年ぐらい続きました。
その間に百貨店での買取での販売も経験しましたが、その時感じたのは買取より委託の方がハンドメイドには向いてるな、ということです。
そのあたりはまた別の機会にお話しします。

SNS系ハンドメイド市場の利用

SNS系ハンドメイド市場、というのはminneとかクリーマなどです。
ここに登録するのは悪いことではないです。なぜなら人通りの多い場所での出店は、集客力、知名度の低い作家にとってはとてもありがたい存在です。

ただ、やはり最終的に自分の作品は自分の収入につながるようにしたい、というのが私はクリエイターの目標だと思っています。

今は少額の手数料でカートを作ることができますので、ある程度minneやクリーマでお客様の認知が進んだ時、自身のネットショップを開く、というのもアリではないでしょか。

一番難しい集客の面でいきなり自分のネットショップを開くのは難しいと考えます。
私の場合はインターネットそのものがまだ走りだった頃で、ショッピングカートのあるHPを開くというそのものができず、HTMLでのHP開設から始まりました。
それでもお客様が数人いた、というのはラッキーだったのかもしれません。
もし、私がHPを開設した2000年当初、すでにminneやクリーマがあったら登録していたと思います。

よっぽど自分の中に宣伝のノウハウがある、もともとSNSでフォロワー数が多い、自分の作品のファンがたくさんいる、など自分自身が今までネットやリアルで培ってきた人気度によってどちらがいいか選択してください。

ネットは、HPを開設したらすぐお客様が来るわけではありません。
もちろんminneやクリーマでも、すぐにお客様に認知いただけるわけではないです。地道に作品をアップしたり、宣伝告知をSNSで行うことで徐々にお客様に認知されていくものだ、ということを覚えておいてください。

委託販売

委託販売をするなら、ポイントはボックス型委託販売店よりオーナーがきちんと作家を選んでいるお店を選ぶこと。

ボックス貸しは結局毎月の使用料で売り上げが飛ぶ可能性があります。
ボックスの大きさ以上の納品はできないので、大きさ+その箱の位置なども考えると人目に付くかどうかわからない、ということも。

それよりも、コンスタントに納品を進めてくるお店の方がメーカータイプの人にはちょうどいいです。自分の店に来る客の好みを理解しているオーナーがちゃんと選んでくれているので、高い確率で売れると思います。

また、雑貨店で定期的に百貨店催事をやってるとか、商業施設でのイベントに出店しているお店はかなりおすすめポイント。
思いがけず百貨店での販売ができる可能性あり、です。
その際掛け率50%などわりとシビアになってくるのでそのあたりもよく条件を見ておくといいと思います。

デメリットとしては通常の委託販売の掛け率と、イベントでの掛け率が違うことがあるという点や、納品した商品が戻ってこない、戻ってきた箱が送った箱と違って汚い、お手伝いに行ってる作家は優遇されるけど、そうではない場合は目立たない場所に展示されるなどなど、結構ガッツリ関わらないとわからないことも多いことでしょうか。
自分の足で歩いて行ける商業施設での販売の時は積極的にかかわると、お客様の傾向や、売れ筋など、自分だけでは知りえなかった情報も入りやすいので、参加してみるのもいいかと思います。

ただ、委託販売で作品を置いてもらう、ということは、そのお店のお客様にお店が紹介してくれる、ということです。
お店は様々な方法で顧客様を獲得しています。そのノウハウを利用して販売してもらっている、ということを忘れないでください。

お店が提示する掛け率に関して誤解が多くて、これに関してはもう一つの文章が必要です。
本当に「販売手数料」などという言葉が横行してしまっている今、何を言ってるの?という感じなんですが、掛け率には根拠があります。そのあたりもしっかり別の機会にお話しさせていただきます。

イベントでの直売

アルカのお取り扱い作家さんで、大量に作れる人はイベントに参加されていることが多いです。
クリエイタータイプの作家も多く出店しているので、今の主流はイベント参加だろうと思います。

クリエイターズマーケットや、てづくりバザール、デザインフェスタなど大きなイベントに出る、というのも販売方法としてはありです。

参加するにあたって必要なのは、認知度がない場合、通りがかりの人にいかにアピールできるか、です。
大体今のイベントは、人気の作家さんのブースには長蛇の列だけど、そうでなければ閑古鳥、というのが当たり前のようになっているそう。
認知度がないとなかなかに厳しい結果になりそうです。

それでも流れで歩いている人はいるので、いかに自分の作品を見てもらえるかが必要になってきます。
人目につきやすいメーカー型の人の作品内容についてはもう少し後の投稿で詳しくお話しします。

宣伝告知

イベントがあるから宣伝するのではなく、日頃からSNSでの投稿はした方がいいと思います。
作品を作っている時の気持ちでもいい、今こんな感じで進んでいます、でもいい。
自分の作品のことならなんでもいいんですよ、思いついたまま、気の利いた写真と共に投稿する。

そして、プライベートの投稿は別のアカウントにする。

作家ファンのお客様との会話で気になるのが、作家のプライベート。
家族や、飼ってるペットの写真、旅行の写真などなどです。

これって意外と「見たくない」という方もちらほら。
自分は作品だけ見たいのに、プライベート投稿があるとイラっとする、みたいなことを言う人も。
だからと言ってプライベート投稿をしない、というのもなんだか味気ないと思いますが、私はプライベートと仕事の投稿は分けた方がいいと思います。
特にオーダーを受けている作家は要注意。
「オーダーをしたけど、なかなか作品が出来上がらないのに、旅行に行ってる」などSNSのプライベート投稿を見てお怒りになるお客様は少なくありません。

SNSは、どんな人が見ているかわかりません。

買いたいと思っているお客様かもしれない。
百貨店催事担当者かもしれない。
雑貨店オーナーかもしれない。
企画展の参加作家を探しているギャラリーのオーナーかもしれない。

SNSの投稿、というのは誰かに見てほしい、誰かに知ってほしい、だから投稿する。
プライベートをちょこちょこ差し込むのもいいかもしれませんが、結構、顧客様というのは作家さんのSNSをくまなく見ていることが多いので要注意です。

日頃の作品投稿にいいねが増えると、それはファン獲得に繋がります。
でもいいねの数が買ってくれる見込み客ではありません。
でも確実に、覚えてくれる人は出てきます。
イベント告知もしっかり、誰が見てもわかるように宣伝すること。
誰も来なくてもいいんです。次のイベントでは来るかもしれない。
やったらやっただけのことはあるので、投稿しないよりかはした方がいいと思います。

アルカはほぼSNSの宣伝告知だけで11年やってます。















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