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メーカータイプの客心理

メーカータイプの人の作品は、まず量産型であることが必須です。
同じものでもたくさんある。在庫を抱えるけれども在庫がないよりはある方がいい。
量産型の作品を求めるお客様というのはどういうタイプかというと、あの人が持ってるものと同じもので、ちょっといいモノが欲しいというお客様です。

同じものでもいいけど、ちょっといいもの、自分好みのもの。

たとえば、お財布を例にすると、同じ形でも、何色もあると嬉しい。
一つの形で1~2色しか作らないのがクリエイタータイプだとしたら、メーカータイプは10色でも作る。

何も同じ色の財布を10個作れと言ってるのではありません。
同じ形で違う色の財布10個。いや、それぞれ同じ形で同じ色のものをまず2~3個、それを10色以上とするのがいいかな。

たくさんある、というのはそういう意味です。

ベビーグッズを作って販売していた時、まさに量産型でした。
同じ型のスタイを色違いで3~5色展開みたいな感じ。
ベビーリュックも同じ形で色違いを10個、とか。

変化があること、でも統一感があること。

あ、こんなのもある、こんな柄もかわいい、と新しい発見をしてくれるようなラインナップであること。

同じスタイでも形が違うもの10点ずつ、リュックは同じ形だけど色違いで10点とか、ベビーシューズにいたってはさらにいろいろ作りました。
同じ型だけど、色違い、柄違い、アップリケもつけてたからそれもみんな違う。

見る人がいかに楽しく見てくれるか。

同じようなのがいっぱいあっても飽きてしまう。
でもあんなのも、こんなのもあると楽しくてついつい買ってしまう。

独りで作っていたので量産型といってもさほどの数ではないですが、今のドール服の1回に作る数と比べたら格段に違います。

でも、今その量産型をやれと言われたらきっとできないと思います。
1点ずつに思いを込めるクリエイタータイプの作り方と比べ、メーカータイプの作品は、1点ずつのこだわりを捨て、いかに早くたくさん作れるかにシフトしていくことが大事です。
どうしたら早く作れるか、たくさん作れるか。そしてたくさん売れるか。
そのあたりの計算も入れながら作る必要があります。

一つ一つに自分の思いで作るクリエイタータイプの作り方とは全く違う心持であることがよくわかると思います。

メーカータイプの作品を求める人、というのは普通の雑貨店で雑貨を買うお客様と似ているかもしれません。
特に作り手のこだわりとか関係なく、ただ自分の欲しいものを買う感覚。
ハンドメイドであることは理解しているけれど、そこに作り手の独自性が欲しいとかはないのです。

あくまでお客様個人が欲しいもので、市販されている雑貨(made in chinaなど)にはあまり興味がない。興味があっても安価であることが前提。
作家が作るものは安価ではないけれど、オリジナリティがあって他ではなかなかない。たくさん色があるとこれは自分用に、こっちは娘用にしようなど選ぶ楽しみも増えます。

神社や広場で定期的に開催されている手作りイベントなどで出店されているお店を見ると、そのラインナップの多さに驚かされます。
同じ形の財布も色違いでたくさんあります。
アイディアを盛り込み、いかに使い勝手よく作るか、というのもこうした雑貨系ハンドメイドでは必要な要素です。

同じハンドメイドでも、自分がメーカータイプか、それともクリエイタータイプかでだいぶ作り方が違ってくるように、それを求めるお客様層も全然違うんですね。

でも、メーカータイプの量産型作品も、クリエイタータイプのオンリーワン作品も両方好き、という方もいらっしゃるし、作家にも両方のタイプで作品展開をされている方がいらっしゃいます。

次の投稿ではそうした両タイプの作家さんをご紹介します。











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