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3年思い続けてギャッベを買った話

この冬、3年思い続けていたものを思い切って購入した。
ギャッベという、イランの遊牧民が手織りしている羊毛の絨毯。
「マツコの知らない世界」で取り上げられたこともあったそう。
我が家のギャッベへの長い片思いの話。

ギャッベとの出会い

私がギャッベを知ったのは、職場に届けられた地方紙の片隅にあった「ギャッベ展」の広告。
片隅に小さく載せられたギャッベの写真に釘付けになった。
色鮮やかな絨毯で、私の大好きなモザイクというかパッチワークというか、そういう柄が特に可愛かった。
こんなやつ。

これは観に行かなければ!と思い、夫を誘ってお店に出向いた。

お洒落な家具屋さんに、たくさんのギャッベが積んであって、全国をギャッベと共に回っている営業マンのお兄さんが声をかけてくれた。

お兄さんには「買ってください!」という圧はなく、ギャッベのことを知って帰ってくださいね、というスタンスだったのでたくさん話を聞いた。

模様の話(全部に意味がある)や、
染色の話(全て自然のもので染めている)、
現地では地べたに直敷きで使うほど丈夫で長持ちなこと、
基本的には織り目の密度で値段が決まること。

たくさんのギャッベを見ていると、触り心地や模様の細かさで、密度が高いか低いかわかるようになってきた。
表を見て、値段当てゲームを始めた我々夫婦に付き合ってくれるお兄さん(すいません)。

もうすぐ我が家に子供が生まれる、ということがわかると、お兄さんは
「うちにもギャッベがあるんですが、こどものオムツ替えはギャッベの上でしていましたよ!」と言っていた。
お兄さんのことを完全に信用していた私も、これだけは「ほんとうか!?」と思った。

だってそこにあるギャッベは目玉が飛び出るほどのお値段だったから。
当時我が家に敷いていた「お値段以上」のカーペットより、0が2つは多い。
この上でおむつを変えられるのか?

そんなお値段なので、その日は何も買わずに帰路についた。
正直後ろ髪を引かれていた。
私に引っ張られて見に行っただけの夫も、帰る頃にはギャッベにメロメロになっていた。

帰りの車の中で「どうしよう…」と考え込んだ。
我々夫婦、趣味が合わないので欲しいものが合致することがほとんどないのだけど、これは2人とも欲しいと思ってしまった。
夫は「ずっと使えるならいいものを買ってみてもいいと思うんだよなあ」と言いながら、それにしてもあまりに高価なものなので、月額で考えていた。
お兄さんは100年は使えると言ってたので、月額にすると500円くらい!しれてる!(そういうことじゃない)

悩みに悩み、ランチ中も、帰宅後も悩んだ結果、子どもが生まれて生活がどう変わるか、どれくらい荒れるかわからないので今は見送ろうということになった。
我々はギャッベのことを泣く泣く忘れることにした。
まるで恋。

再びやってきたギャッベ事変

それから私たちはギャッベのことを忘れて過ごした。
と、思っていたが心の底からは消せず、大きな額のお金の話題になると「ギャッベ○枚分」と言い換えたりした。
忘れられなかった。

具体的に「買っちゃう…?」という空気になってきたのは、展示会から3年経った頃。
我が家のリビングに敷いていたカーペットがそろそろ限界を迎えていたからだった。
もうぺたんこになってしまっていて、敷いてあるのかないのかわからないような固さだった。
通常使用できる期間の2倍は経ってしまっているので当たり前だ。

へたったカーペットを目の前にして、「ギャッベ…長持ちするギャッベが欲しい…」という気持ちが高まった。
早速取扱のある家具屋さんへ出向いた。

ギャッベを買いに

隣県の家具屋さんにやってきた私たちは久しぶりのギャッベとの対面にテンションが上がった。
そのお店のものは、以前見た展示会で見るものより少し値段が抑えられていた。
お店の人に聞いてみると、たぶんその展示会ではゾランヴァリ社という高級ランクを取り扱うブランドのものを置いていたのだろうということだった。
買いに行った家具屋さんは、現地の織り手さんから直接買い付けているので、仲介がない分少し安いらしい。

安いと言っても、リビングサイズになるとポンと手を出せる値段ではないので、とりあえずファーストギャッベとして玄関マットを買って帰った。
それがこちら。

大きいものでこの柄だとうるさいかもしれないけど、玄関マットサイズだから大丈夫。
かわいい。
玄関には置かず、リビングに敷いて眺めた。

「ギャッベの上には家族が集う」という売り文句があったので、子ども2人と大人2人でギャッベの上に寝転んだりした。
玄関マットだけど。
その光景はちょっと悲しいけど、家にギャッベがある、というだけで嬉しくなる夫婦だった。

1ヶ月間、玄関マットを堪能した後、これはリビングサイズを買うしかないと決めてまたお店に向かった。
お店のウェブに在庫情報が一枚ずつ載せられていたので、夫は事前に全部チェックして、お気に入りのものを保存していた。

お店では予算に合うものを全てめくって見せてくれた。
全部見て、最後2枚まで絞った候補を隣同士に並べてもらって悩んだ。
結局夫が事前チェックして「これいいなあ」と言っていたものに決まった。
それがこちら。

「生命の木」の柄は子供の成長や長寿、健康への願い、その下に小さく見える「鹿」は家庭円満の願いが込められているそう。
木がクリスマスツリーみたいで可愛いし、濃淡のあるブルーの地色がすごく綺麗で気に入っている。

こうして2年半の片思い期間を経て、ギャッベが我が家にやってきた。
たまに夫もごろごろ寝転がって、「買ってよかったですなー」としみじみ味わっている。

ちなみにこの上でおむつ替えできるかというと、できないことはないけれどとてもスリルがある。

そう言う点も含めて、次の記事で実際買ってわかったギャッベのメリットとデメリットを書いた。
ギャッベに興味を持った人の参考になれば嬉しい。

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