中国ドラマを楽しむための小ネタ
鎖愛三世編
今日は知ってて見ればもっと楽しい!雑学のお時間です
民国時代とは
1912年から49年までの第一次世界大戦から第二次世界大戦を含む動乱期の中国の共和政国家です。アジアでも初の皇帝制や王制を排した共和政で近代化を模索しましたが、時代背景もあり、軍閥の台頭や国内での激しい対立、日帝の支配など複雑で混乱した状況が続きました。
とはいえ、経済の発展や民主化、言論や文化が花開いた時期でもあり、生活の洋式化やインフラの拡充など、この時代を懐かしむ(憧れる) 人々も多く、暗黒の時代とも、憧れの時代ともどちらの意見も耳にするため、正直外国人の私にはわかりにくい時代です。
実際、改革開放を詠うときには引き合いに出されるし、国権が取り沙汰されるときにも政治的な色合いがどうしても出てしまうので、近現代でありながら、はっきりとした正史のようなものが語りにくいのかもしれません。
そもそも日本だと学校で近代史を習わないから、一層わかりにくいですよね。
ということで、諸々の事情もあり、民国時代のドラマというと、抗日運動を描いたものか、歴史的な背景に一切触れない、ラブストーリーに偏ってしまう傾向があるかもしれません。
逆に言うと、抗日ドラマであればトンデモでも許可されるということで、かなりB級のものもあるらしく、超人のような悪役が出て来てピカレスクぶりが激し過ぎて逆に人気者になるという逆転現象もあるとか。余談が過ぎました。
ということで、正史があまりはっきりとしていないため、想像の余地がある(言い換えればなんでもあり)、且つ、大衆にとっては華やかでロマンティックな憧れの時代でもある、民国時代。今後も素敵なドラマが作られるといいですね
腰佩とは
腰に佩(お)びる装飾品です。歴史的には殷・周時代から用いられており、金属製のものや翡翠、貴重な木材(白檀など)で美しい彫刻を施したものがあります。
腰牌、腰佩は混同される場合もありますが、腰牌はどちらかというと身分証明や宮殿の出入りの証明、軍令を伝えるためのものといった実用的な傾向があり、腰佩は幾つも連ねて帯に留めるといった装飾品的な要素が強いです。素材も後の時代になると象牙や琥珀、水晶など貴重品として種類も増え、ステータスの高い人が持つものという意味合いを持ちます。
シンボルとして縁起の良い動物を彫ったり、文字を入れてお守りのような役割も果たします。
鴻燁は梦儿がそっと盗み出した腰佩を、ケガが痛むふりして強引につけさせたとき、軍服のような西洋衣でもベルトに結わえるんだ!って新鮮に思いました。後になって彼女に与えたその腰佩は、母から託された大切なお守りでしたね。
督軍とは
民国初期の頃、地方長官を兼ねた軍の司令官が各地に置かれたそうです。琴元は軍隊の将軍でしたが、徐々にその地域の地方長官を掌握して生きました。なので、督軍は県知事、司法・公安機関の長、軍隊のトップのような役割だったと思われます。
のちにはそれが行政の実権を奪い軍閥化し、各地で抗争を繰り広げることになりました。
堕胎薬?
民国時代まで用いられていたかは疑問ですが、古来からの堕胎薬は結構恐ろしいものもあったようです。
代表的なものは、少量の水銀を飲ませるもの。これは、母体にも当然影響が残ったでしょう。
生薬には子宮の収縮を促すものも多く、妊娠中に服用してはいけないとされる漢方薬は多数あります。逆に言うと、堕胎薬としてそれが用いられることもあったでしょう。以下が代表的なものです。
子宮の収縮を促す・・・桃仁、牡丹皮、紅花、大黄、甘草、川芎
特に芍薬甘草湯は妊婦に禁忌と言われるほど即効性が高いそうです。
母体を冷やす・・・石膏、黄芩、黄連、黄柏
石膏が含まれる漢方は基本的に体を冷やすので、あまり良くないそうです。
咳止めなどに含まれていたりするので要注意。
毒性が強い・・・附子、麝香、牽牛子、鶏冠石(ヒ素)、辰砂(水銀)
附子は痛み止めにも使われますし、麝香も牛黄と組み合わせた滋養強壮薬として今でもいろんな漢方薬に含まれますが、それ以外は毒性の方が強いため、今はあまり使われていないはず。多分。
これらのことから、多分女主人公が飲ませられたのは芍薬甘草湯か水銀水だと思います。ひどいよ…
三世とは
中国だと神界で女媧が管理する三生石には運命の人と名前が刻まれているとか。三生は前世、現世、未来世のことで、日本語にすると三世のことです。
この物語では、記憶喪失になるたび、一度死んで生まれ変わり、三回出会いと別れを繰り返したという説があります。
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