全ての人を救うことはできるのか。

目の前にいる人ですら救ってあげられないことは多々ある。

人には「優しさ」があって「助けてあげたい！」という気持ちがいろんな原動力になっていると思う。

でも本当に助けてあげた所で、満足なのは相手じゃなく、自分自身なのかもしれないというヒネくれた考えさえ生じるのだ。

そんな時、人を救うことを考えている仏像に出会ったのは今年の4月。
奈良県の法隆寺に行き、中宮寺の半跏思惟像(弥勒菩薩)に会ってきた。

顔立ちは優しく、全体的なバランスが素晴らしい。まるで本当の人が考えているようだ。

この像は、どうしたら全ての人を救うことができるのか考えているお姿なのだとか。

実際に見ると、その美しさに心を鷲掴みにされる。
そして、優しさと愛がじわじわと伝わってくる。

「そのままの貴方で大丈夫」そう言ってくれている気がした。

こんな美しい半跏思惟像みたいに自分もいつかなれたらいいのに…今や憧れの存在！！

しかし、私はいくら考えても、全ての人を救う手段が見つからない。

むしろ、本当に大切な人もどう救ってあげたらよいのか分からない時が多々ある。
それでも

救いたいと思える人がいること。

救いたいと考える気持ち。

これこそが本質的に大切なんじゃないかと思うのです。

反対に救われた時は、手を借りた恩の優しさを噛みしめようと思うのです。

与えること。見返りは求めない。

これができたら神様やなと思うけれども、私はまだまだ修行が足りんようです。

ちなみに人を救うフリをし利用し、自分を救ってる人間が結構多い気がします。
それは神じゃなく鬼ですね。

それにしても一体の仏像から、沢山の哲学や愛や優しさの教えをもらえるって本当に素晴らしいと思うのです。こんなんですっかり仏像好きになってしまいました。

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