家事にも有給休暇を:"非常時訓練・ワンオペ家事デー"のススメ
2人しかいない夫婦のうち、どちらかが倒れてしまった時に休める体制は出来ていますか? 私は家庭でも"有給休暇のような休み"が取れる体制が必要だと考えます。
そのために必要なスキルが、「ワンオペ家事力」です。(ちなみにここで言う家事には育児も含めています。)
"ワンオペ"は家庭が歪みかねない課題です。ただ、それは多くの家事を属人化・状態化しているから。
もし「ワンオペ家事力」を持つ人が複数人、家にいれば、非常時だけでなく、気軽に一人っきりの休みを取り合えたり、日常の家事シェアが進んで家が良い空気になります!
実際、私は体調を崩した時も、我慢せず「休ませて」と言えます。仕事と育児がキツい時期が重なって心がしんどくなってきた時にも。本当にありがたい・・・。
では、まず家の非常時とは、どんなことが起こりうるのか・・・考えてみました。
家の非常時①突発的に起こるリスク
・怪我、病気、感染症
(本人以外(子ども・離れた家族)の対応含める)
・仕事の残業、出張など
怪我や病気、今回のような感染症の場合は、まともに引継ぎができないことも。
突発的な残業や出張は、基本的には避けたいものですが、どうしても・・・という場面ありますよね。
そんな時、共働きでも子育て中でも、両方が対応できる状態だと、踏ん張りが効きます。
私はふだん時短で、アクセルを緩めながら働いていますが、ある時、泊まり出張での視察の打診がありました。いつもなら断ってしましたが、2度と無い視察になりそうだったこともあり、夫に希望を伝えると、快くワンオペ家事・育児を引き受けてくれて、行けることになりました。
これを検討・実現出来たのも、私たちが既に「ワンオペ力」を持っていたからでした。
家の非常時②定期的に起こるリスク
・女性の生理痛、PMSなど
・仕事の繁忙期など
仕事では生理休暇がありますが、家では我慢しがちな方も多いのではないでしょうか。ちなみに、生理痛やPMSは年齢に伴って症状が酷くなったりするので、備えておきたいです。
私は30代後半で急にPMSが重くなり、精神状態が不安定になってしまうように。意識的に休みをとらせてもらい、夫に家事の比重を高めてもらうようにお願いしています。
仕事の繁忙期もパートナーとうまく調整し合って乗り切りたいものです。
家の非常時③長期視点で起こるリスク
・夫婦どちらかの異動・転職・復職
・出産・育児
・女性の更年期障害
・介護(本人たちだけでなく、離れた家族含む)
・夫婦どちらかの死別・離婚
人生100年時代と言われています。特に異動、転職、復職などの初期は生活リズムも変わり、慣れるまで本人の心身の疲れがあったりしますよね。
お互いのチャレンジを応援しあえる関係になるためにも、その時期に家庭は踏ん張りが効くと◎ ただし、これが長期で夫婦の一方に偏りすぎると関係がこじれます。数年単位で持ちつ持たれつの関係にするための調整が必要だと思います。
また、子育てに入った場合、特に幼少期の数年は、2人で家事シェアしていても生活自体が大変です。お互い、1人の時間を作って心身良い状態を保つことは重要です!
さいごに個人的に一番意識しているのは、夫婦の死別や離婚。
2020年の都市生活研究所の調査によると、シニア単身男性は日々の食事が「質素」「単調」と言う方がほとんどとのこと。栄養バランスは意識されていない方が多く、料理をしない原因は「スキルが無いこと」、「準備や片付けの手間」だそうです。日々の料理作りだけでなく、ある程度、家事が出来ておけるようにならないと、高齢単身になった場合、健康寿命にも影響しかねません。
日常にもメリット:優先度の高い家事を進められる
日常の家事はルーティン化していると思いますが、少しずつ状況は変わることがありますよね。普段の家事が担当性だったとしても、「ワンオペ力」があれば、担当外のことでも、臨機応変に優先度が高い家事を、2人で進めていくことが出来ます。
例えば、普段は担当性で、妻が料理、夫が掃除担当だった場合。
妻が料理している最中、たまたま夫が早く帰宅出来て、他の家事タスクがなかった場合・・・夫も「ワンオペ力」があってどんな家事も出来るのであれば、一緒に料理を進めることができます。
そして、お互い一人きりの休みも取りやすくなります。
私が休んだ分、夫が趣味に出掛ける時も快く送り出せます。この関係が出来ると本当に気持ちが良いです!
お互いのワンオペ力が無いと、普段していない家事への引き継ぎの労力から、一人で出かけることが億劫になってしまったり、遠慮したりしてしまうからです。
「非常時訓練ワンオペデー」のススメ
そんな非常時対策にもなり、日常にもメリットがある「ワンオペ力」。
夫婦で鍛えるために、それぞれで"非常時訓練ワンオペデー"(1人のお出かけ日)を定期的に開催してみてはいかがでしょうか。家事は担当制の方も、普段から状態化した「ワンオペ」の方にもおすすめです。
初めのうちは、引き継ぎが億劫かもしれません。苦手な家事、向き•不向きもあります。がしかし、それも非常時対策と捉えましょう。うまく定期開催できると、引き継ぎ無しで出来るように!
これで、いつでも安心して倒れることが出来ます(笑)
余談ですが、私たち夫婦はどちらも「ワンオペ力」を持っているのですが、日常の生活時間にあわせて緩い担当制になっています。ただ、役割が固定化された期間が続くと、担当以外の家事は少し動きが鈍くなってしまうことを実感しています。
そういう意味でもこの、"非常時訓練ワンオペ家事デー"の定期開催はおすすめです。普段やっていない家事の課題や、家事効率の良いアイディアが見えてきます。
いまは積極的な外出が難しかったとしたら、近くのカフェで半日のんびりしても◎
私は近所のファミレスで、PCや読みきれていなかった本を持っていくことも。
夫は最近は、電動自転車で往復5kmぐらいの川に釣りに行っています。
ぜひ、イベント感覚でこの非常時訓練を楽しんでみてはいかがでしょうか。
おしまい⭐︎