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おすすめ本No.7『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』エリック・ジョーゲンソン

人生のどんな状況にも、選択肢は必ず3つある。
変えるか、受け入れるか、放っておくかだ。

引用元:シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

お金の稼ぎ方には、その人物の人生哲学が色濃く反映される気がする。
なりふり構わず成果重視、他者との調和重視、成功よりも理想重視など、まさに千差万別。
そういった意味でこの本は、ある一人の成功者の成功法則と人生哲学の結晶のようなものだと思う。

アメリカでいくつものスタートアップ企業を成功に導き、アメリカの起業の仕組みを一新した男と呼ばれた、ナヴァル・ラヴィカント。
起業家であり投資家でもある彼をあえて「思想家」と位置づけ、彼の思想の断片を語録としてまとめたのが本著だ。

成功と幸福の両立
本著の前書きで、著者のエリックはナヴァル・ラヴィカントのことを「成功と幸福を両立させた稀有な存在」と呼んでいる。
成功と幸福はイコールではもちろんなくて、それどころか時として両立が難しいものであるという前提に立ち、本書は大きく分けて以下の二部構成になっている。

第一部      富 この世界で運に頼らず「リッチ」になるには
第二部      幸福 この世界で最高の人生を歩むには

「努力は富とはほとんど関係がない」とナヴァルは言う。大切なのは「どれだけやるか」ではなく、「何を」「誰と」「いつ」すべきかを理解することだと。
本書はまさに、その原理原則を学べる名著だと思う。

仕事術などのHow To本とは異なり、原理原則が書かれた本は読み手を選ばない。
どんなスキルセットの人にも、基盤となる物事の考え方が必要だ。
そういった意味で、これから社会に出ていく人はもちろん、すでに社会で戦っている人にもこの本はおすすめできる。
現に、人生を6割の力で生きていきたいと思っている私ですら、ナヴァルの考え方には刺激を受けた。

「週40時間労働は産業革命時代の遺物だ」
「売る方法を学べ、つくる方法を学べ。両方できれば無敵だ」
「世界が欲しがって、まだ手に入れる方法を知らないものを生み出せ」

といった現代の富の生み出し方を語るかと思えば、

「自分がいかに誠実かを長々と話す人はたぶん誠実じゃない」
「サメは食うものに困らないが、一生サメに囲まれて過ごす」

といった彼流の人付き合いの持論までもが、この本には散りばめられている。
どこから読んでも自分の中に新たな気付きを得られる本というのは本当に稀だ。

この世で働かずに生きていかれる人はほんの一握り。
ほとんどの人にとって、働くという行為は人生から切り離せない。
だったら、お金を稼ぐということの根本を理解したほうがいい。私はそう思う。

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