不登校11

先日、第一志望の私立小学校の編入試験を受け、無事合格した。
娘にそのことを伝えるとこちらが驚くほど喜びを爆発させた。
「合格したー!!!」「新しい小学校に行ける!!!」「もうあの学校に行かなくていい!!!」
などの言葉を叫んでいたのだが、これを聞いて娘のなかで現状への違和感と不安が垣間見えた。

なぜ嬉しいのか


今回の編入試験では、テストだと伝えて挑んだ。テストは合格と不合格があることを知っていて(おそらく、SPAY✕FAMILYの影響)、終わってからもソワソワしていた。
「わたし、すごい?えらい?」と聞いてきたのでもちろんべた褒めしたが、大きな自信になったのだろう。
もう一つ、自分が行きたいと願った学校に行ける喜びもあると思う。
「前の学校は見学できなかったもんね!」
とは合格したあとに言っていた言葉。
こういうことがなければ小学校を選ぶなんて親も子も考えていなかったけれど、自分で選んだことも娘にとっては良かったのだろう。もちろん、今後何があるかわからないので、「選んだのは自分だから我慢しなきゃ」と思わせないようにしなくてはならないが。

面接の時に「あなたはいい子だね。とってもいい子だ!」と先生に何度も言われた。
その後自信をなくしそうになったとき、私はこの言葉を引用するようにしている。親じゃなくて先生が言ってくれたということが大事。なぜ合格できたのだろう?と言ってきたときにも「あなたがいい子だって先生がわかってくれて、どの先生もいい子のあなたと一緒に学校で過ごしたいのよ」と伝えるとホッとした表情をしていた。

合格したこと、面接時に言われたことを繰り返すことで、自己肯定感が高くなってほしい。

学校に対する忌避感情

合格した聞いたときに「あの学校に行かなくていいんだ!」という言葉は正直意外だった。というのも、実質1ヶ月半しか行っておらず、さらに同じ時間休んでいるわけで、こちらも不登校になってからは行けと言ったことは一度もないからだ。
それでも帰属意識を持っているということなのか。もしくは、学校は行かなくてはならないところだと思っているのか。
もしかしたら合格できなかった時には、あの学校に再び行かなくてはならないと考えていたのかもしれない。
新たな学校に行ける=前の学校とおさらばできる
を理解していたことへの驚きと、こんなに時間がたったとしても学校が嫌だという気持ちは消えないんだと、改めて不登校児童の復学への難しさを感じた。

現状についての不安


安定してきている娘だが、6月4週目からすんなり仕事に行かせてもらえなくなっている。「ママ行かないで」と言われ、数十分間一緒にいて話し、違うことに気をそらしてから出掛けるようにしている。
母子分離不安、再びか!?と身構えたがどうもそうではないらしい。
仕事に行けているママとパパが羨ましいというのだ。
「ずっとおうちにいるのが暇!」「もう飽きた!」「いっつも暇なんだから、お休みのとき(土日)くらい忙しくってもいいじゃない」などの発言があり、私も「そりゃ暇だよねぇ。もうちょっとだからね」などと伝えていた。
でも、どうも私の言葉は浅かったようで、先日、久しぶりに夜号泣した。

暇なのが嫌、という言葉と同時に「みんなと同じように学校に行きたいのに、学校は行きたくない」と泣くのである。
自分だけずっと自宅にいて、You Tubeみて家の中で遊んで、少し公園で遊んだとしても結局一人。私が仕事を休んで一緒に出掛けることも提案したが、そういうことではないらしい。
つまり、一時的なお出掛けではなく、自分も社会と繋がっていたい、外に出たい、ということなのだろう。

学校に行きたくないだけ

受験した際に先生から「本当に学校だけが嫌なんですね」と言われた。
土日も保育園からの友だちや近所の友だちと遊ぶ。お稽古ごとも心身が底辺になったとき以外は積極的に通っている。私の友人宅にも泊まりに行っている。
コミュニケーション能力もあれば好奇心も旺盛。考えすぎる傾向があるが(それが発達の偏りと言われる所以)、だからといってひきこもるわけでもない。社会と繋がりたい、外に出たい、友だちとあそびたい、学びたい、という意欲があるのにつらい目にあった小学校にだけ行けない。小学校に小学生が行かないことが不登校児への大きな心のストレスになっている。ただ小学校に行けないことで社会とこんなに隔絶されてしまうとは。
思春期や大人になっても社会から隔絶されることはあるだろうし、私もフリーター時代は身の置き所がなくてソワソワしたこともあったけれど、まだ6歳の子がなんでこんな思いをしなければならないのか。

子どもは大人に守られるもので、大人というのは家族親族に限らず、学校の先生や社会もそれに含まれていると思っていた。
でも、少なくとも娘の通う公立小学校では誰も守ってくれない。それどころか関係を断ち切ってしまった。

社会と繋がれない、学校に行きたくても行けない娘を見て、学校に対しての怒りが改めて芽生えてきてしまう。

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