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「鴨川デルタンカ勢力図」(ナカノソト)を読む

ナカノソトさんの短歌ネットプリント「鴨川デルタンカ勢力図」を読みました。
ちなみに例のごとく出力期間を逃してめちゃめちゃ落ち込んでいたら、PDFを公開してくださって、神様に見えました。もはや神様。ありがとうございます。

学生時代を京都で過ごした方は特に必読のネプリです(出しそびれた側が言うな)
こちさんという方が元ネタとなる「鴨川デルタ勢力図」をつくられていて、これが既に面白かったです。個人的にはデルタの西側の「水汲み場(断水)」がツボでした。そんなとこあったっけ……! 西側へ渡るときは桝形商店街、もしくはコーヒーハウスマキに直行していたので、あまりここだとはわからないのですが……断水の水汲み場……。

そのほかのスポットも、あ~そうだったよな~と懐かしく思い返しながら見ていました。ベンチのある河原は楽器練習にもってこいだったので、音楽の民時代を思い返したり。よさこいもすごかったなあ。こう、すさまじい熱量があの川を越えてまで伝わってきて、対岸の体感温度も+1℃くらいありましたよね。
デルタでお酒を飲んだことはないのですが、酔っ払いの必然としてそのまま水面へ転げ落ちるというスムーズな帰結については何度も聞いたことがあります。夏だったら酔い覚ましにもなるし、もってこいじゃないでしょうか。

今回、ナカノソトさんは「デルタンカ」なる35首もの短歌をまとめられており、デザインも中身もすごく面白かったです。デルタ→デルタンカの発想が最高。ほんとに35首もこの図のなかに……!? と数えたらほんとうだったので感動しました。
わたしも、なにかしらのタで終わる名詞を短歌にしてみたい。ノキシタンカとか……(地味だな……)

特に好きだった歌はこちらです。

「おりおん」をビールで解釈してくれたきみと今すぐ南へ翔ぼう

「鴨川デルタンカ勢力図」/ナカノソト

鴨川等間隔カップル発生地に位置している歌ですが、背景を抜きにしても1首としてとても魅力的に思いました。
オリオン、と聞くと星座かな、と思いそうなところを、「きみ」にとっては「ビール」だった。それが主体にとっても馴染んでいるところに、親密な関係性を感じます。「ビールで解釈してくれた」の「で」の使い方がたまらなく好きです。なおかつ「してくれた」から、相手に寄せるうれしさややさしさがほんのり。
そんな「きみ」と二人で翔ぼうとしている先は、もし星座だったなら冬の真南へのぼっているはずのオリオン座の方角。もしくはオリオンビールのある沖縄、南の島でしょうか。きらきらした未来というか、あかるさへ踏み出すような締め方も素敵だなと思いました。

ちなみにオリオンビール、普通にちょっと割高で飲んだことがありません……気になります……ただのイメージですが、濃いのかしら?
せっかくならお店で生ビールを飲んでみたいな🍺

鴨川に愛着というか執着すらあるくらいに京都が大好きなので、こんな素敵な企画のネプリを出してくださってほんとうに嬉しいです。ナカノソトさん、グッジョブすぎます……ありがとうございます……!!!
学生時代京都にいたよ!なメンバーの歌をあつめて、京都短歌ネプリとかあったらすごく面白そうですね……!! と、勝手にむわむわと想像を膨らませてしまいました。
5月に京都へ行く予定があるので、鴨川ショットをとれたらいいななんて思います。ウフフ。

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