セミの鳴き声と比例するように学生たちの声も浮き足立っていく。 そんな声も姿も入ってこないほどに、うな垂れる僕。 「どうした?」 さすがに心配した友人が声をかけてくれた。 無言で携帯を見せる。 「この度は弊社の新卒採用選考にご応募いただき誠にありがとうございます。厳正なる選考の結果、誠に残念ではありますが今回は採用を見送らせて頂くこととなりました……ああ、大丈夫だって、まだ夏だし」 「お前はいいよな、もう内定もらってるもんな」 「そうだけど、まだこれからだろ」 「もう何社も落ち